名古屋でトップクラスの評判を誇るフランス料理屋。食べログにおいても4.13を得点し(2018年4月)、ブロンズセイントにも輝くという実力派。
立地は東急ホテル斜向かいホテルマイステイズ名古屋栄の地下1階。なのですが、どうも雑居ビル感が凄くて、さあ今から立派なフランス料理を食べるぞ、という気にはなりにくいアプローチです。
白を基調に紫のアクセントカラーが映える店内(写真は公式ウェブサイトより)。店名の『ラヴァンド』とはフランス語で『ラベンダー』という意味であり、シェフが在籍していた南仏ゴルドの『Le Mas Tourteron』 というお店での記憶を大切にしているそうな。
アミューズはカブのスープに山菜のフリット。カブのスープは意外にも熱々。カブの風味が濃く、調味もハッキリしており好きな料理です。他方、山菜のフリットは油が重く最初の1口としては重く感じてしまいました。
ちなみにグラスの泡はシャルトーニュ・タイエの1択。スティルワインのグラスは1,000円~に比べると、1杯1,800円という価格設定はちょっと高く感じてしまいます。
前菜その1。ラングスティーヌ(スカンピ、手長エビ)は文句なしに美味しいですね。エビ好きのエビ好きによるエビ好きのための料理です。ホワイトアスパラや菜の花など春の味覚も嬉しい限り。非常にシンプルな料理であり、何を食べているのかハッキリわかるのが良い。
パンはちょっとボソついており、私の好みではありませんでした。
前菜その2。フォアグラのポワレに玉ねぎのタルト、アーティチョークのピュレ。立体的な盛り付けの特大ポーションに武者震い。とりわけ玉ねぎのタルトが絶品です。ザクザクとした迫力のある食べ応えの生地に、飴色に輝くタマネギがいかにも旨そうなオーラを放ちます。ここ最近のフォアグラ料理としてはトップクラスの出来栄えです。
魚料理はマナガツオ。元々それほど好きでは無い素材なので若干さげぽよです。他方、原木シイタケのラビオリの旨さに快哉を叫ぶ。クリーミーで濃密なソースにも粘り強い味わいがあり実に美味しい。
メインは飛騨牛のカメノコ。牛肉のモモ部位は大きく分けて、ソトモモ、ウチモモ、ランイチ、シンタマに分けられ、そのシンタマの下位分類としてトモサンカク、シンシン、カメノコに分けられます。カメノコはその形が亀の甲羅に似ているためそう呼ばれているそうな。
肌理が細かく脂は皆無であり、グルカ兵のように屈強な食感です。平たく言えばバリカタで、ちぎっては投げちぎっては投げという歯ごたえ。幸か不幸か特大ポーションだったので、少し食べ疲れてしまいました。個人的にはタルタルなど生に近い状態で食べるほうが好きかもしれません。
青リンゴのソルベお口を整え、
デザートはグレープフルーツのプリンにソルベ。このプリンが濃厚で爽やかという良い意味での矛盾に満ち溢れた一皿で興味深い味わいです。
お茶菓子に
エスプレッソを頂きごちそうさまでした。
お支払いは料理だけで10,000円。これに酒代と税サが加わります。やはり名古屋は欧米系の料理はリーズナブル。東京だと3割増は確実です。
料理は素材に忠実でベーシックな調理。ビストロ料理っぽさはありますが、都内の右顧左眄したフュージョン屋に比べると圧倒的な食べ応え。クラシックなフランス料理がお好きな方は是非どうぞ。
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仕事の都合で年間名古屋に200泊していたことがあり、その間は常に外食でした。中でも印象的なお店をまとめました。
- 名古屋うなぎランキング2017 ←1ヶ月集中して昼夜うなぎを食べまくった成果。
- トゥ・ラ・ジョア/金山 ←名古屋の嫁入り道具のような料理。
- 壺中天/新栄町 ←王道フレンチ名店中の名店。
- マスドラヴァンド(Mas de Lavande)/新栄町 ←フォアグラ料理としてはトップクラスの出来栄え。
- 千亀/栄 ←リーズナブルで直線的。素晴らしい焼き鳥屋さん。
- ドディチ・マッジョ/久屋大通 ←「日本一こだわり卵」というブランド卵を用いたカルボナーラが絶品。
- ビストロ ダイア/新栄町 ←ランチの前菜盛り合わせが圧巻。
- アンティカ オステリア バーチョ ←堂に入ったトスカーナ料理。
- トラットリア トペ/新栄町 ←これだけ食べて税サ込3,300円見事な費用対効果。
- うどんの千/伏見 ←讃岐をぶっちぎって日本一好きなうどん。
食通たちが鰻の魅力とこだわりを語り尽くす一冊。よしもとばなな、沢木耕太郎、さくらももこ、椎名誠、村上龍、村上春樹、島田雅彦、五木寛之、遠藤周作、群ようこ、などなど最強の布陣が送るアンソロジー。