ランチメニューは1,000円前後から始まる良心的な価格設定。私は900円のハラミランチの肉を大盛りにして+150円。連れはタン・ハラミ・リブカルビの3品盛りの「花十番ランチ」1,050円を選択。
注目すべきは我々すぐ近くのテーブル。ランチセットではなくアラカルト注文で盛大に注文し泡を飲む50過ぎのオヤジと巨乳ギャル。「ねえ、見てよ。あれがいわゆる港区おじさんと港区女子なのかしら」と、好奇の目を隠そうとしない連れ。「せっかく店外デートにこぎつけたのに、焼肉だなんてセンスないよね。流行感度が低いのかしら」おそらく彼がこれまでに乗ったブームはベビーブームだけであろう。
セットのサラダ。まあ、セットのサラダ味です。900円のランチのオマケなのだから多くは望むまい。
それにしても港区おじさんの会話が死ぬほどつまらない。「最近の若いやつらは信念が無い」「努力が重要。継続は力なり。でもそのためにはまず目標が必要で、自分の実力よりも少し高めに設定するのがいい」などと、自己啓発本のテンプレートのような発言を繰り返しており、類型的なトーク力である。私も大概キモいオッサンですが、それなりにモテる理由がよくわかりました。
キムチはあまり美味しくありませんね。ナムルも小ざっぱりとしており印象に残らない。
女の子の発言に「テスト」「クラス」「バイト」のような単語が含まれていたため、恐らく女子大生なのでしょう。ああ、女性が最も輝く時期の週末のランチをキモいオッサンと過ごすだなんて、青春の無駄遣いにも程がある。あー!写真撮られてるよ!あの世代は何でもタグ付けするレイバンのような男が多いから気をつけて!
私のハラミ。いわゆる焼肉屋のハラミクオリティ。値段の割に量も質も悪くありません。
連れのタン・ハラミ・リブカルビ3品盛り。これにサラダや小皿などがついて1,050円は極めてお得でしょう。
「今はできなくていいんだよ。一歩一歩成長すれば、それでいい。人間って、そういうふうに進化してきたんじゃないのかな」みつをかよ。「確かにそうですね!良いこと言いますね!感動しました!」嘘をつくな。
ごはんはおかわり無料です。ちょっと乾燥を感じてイマイチ。
さすがに腹が捩れるほど可笑しく、涙を堪えきれない。ふと隣のテーブルの熟女を見遣ると、我々同様に腹を抱えており、チラと目が合い心が通じ合った瞬間です。彼女とは旨い酒が飲めそうだ。
付属のスープは+220円でユッケジャンスープに変更することができました。これが丼いっぱいの特大サイズであり、具だくさんで中々いける。先のゴハンを浸せば素敵な韓流雑炊となり、満腹になること間違いなし。
「やっぱり子供の頃の成功体験が重要なんじゃないかなあ。守ってばっかりではだめで、自分なりにいつリスクを取って、どう勝負に出るか。成功できるポイントはそれだね」成功している人は、週末の昼から焼肉屋でフリーランスのキャバ嬢相手に演説をぶったりしないと思うのだけれど。成功の定義とは人それぞれである。
結局、連れとは殆ど会話することはなく、しかしながら笑顔の絶えない食事であり、記憶に残った焼肉ランチでした。
「男ってさあ、モテるの意外とチョロいかもしれないね。女ほど年齢とか外見を問われないし、黙って女の話を聞いとくだけで『聞き上手』って言われるもんね」と連れ。何かとトーク力が求められることが多いこのご時世ですが、実は面白い話をすることよりも、相手に気持ちよく話をさせる技術のほうが価値があるのではないか。そんな気付きを得ることができたランチでした。
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麻布十番は隠れた焼肉激戦区。突出したお店は無い一方で、優等生が多い印象です。
- 焼肉 おくむら ←ランチでは都内トップクラスの費用対効果。ハラミが旨いんだ。
- 焼肉苑 ←十番いや日本全体で見たとしてもお得なランチ。
- みやび ←ランチがお得。スープのおかわり無料がバッチグー。
- コソットエスピー ←お洒落だが割高。
- 韓日館 ←文字通り震え上がるチーズダッカルビランチ
- ブルズ ←半個室なのでのんびりできる。
- 山本牛臓 ←サムギョプサルが良い。レタスとエゴマはお代わり無料♪
- おんがね十番 ←ランチだとオイキムチとカクテキが食べ放題♪
- 鳳仙花 ←老舗の超有名店。
- 純豆腐 田舎家 ←店員含め本格派。
- 三幸園 ←ランチの焼肉丼が特徴的。
- 栄来亭 ←創業は1965年、麻布十番で初めてできた焼肉屋。
- 花十番 ←+220円でユッケジャンスープがお買い得。
- Kintan ←雑穀米が美味しい。
- 一番館 ←何この量!?カンナムスタイルかよ。
- 新鮮ホルモン ランボー ←味と量と価格のバランスは十番焼肉業界でトップ
- 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!