「タパテリア ラ カソーラに行ってみたい」とのリクエストを頂戴し予約を入れる。表参道駅から徒歩数分なのですが、驚くほど人通りは少ない。SNSで宣伝しまくっている隠れ家とはまやかしで、本来的にはこのようなお店を隠れ家と呼ぶのでしょう。
カウンターが数席にテーブルが数卓、ワイン樽を活用したハイチェアの席もいくつかあります。真っ赤に塗られた壁と、その壁に掲げられた鹿の頭の剥製が印象的。
連れはフランチャコルタ、私はレーベンブロイで乾杯。前日は友人宅でワインを飲みながら泥酔するまで神経衰弱に興じていたので、軽い酒でウォーミングアップ。
どろぶたのパテ・ド・カンパーニュ。『どろ』と聞くとギョっとしてしまいますが、十勝の広大な大地でのびのびと育てられた、れっきとしたブランド豚。豚特有の臭みはなく清澄な味わいで、サッパリぱくぱくと食べ進めることができます。
タパス3種盛り合わせ。いくつかの選択肢があって、そこから好きなものをチョイスします。左からキノコのマリネにアンチョビオリーブ、リエット。いずれもシンプルながら酒のツマミにぴったりです。
飲食店限定の国産プレミアムビールGARGERY(ガージェリー)。グラスとグラス置き(?)が変わっていて面白い。ウィートを選んだのですが、期待していたほど小麦の風味が強いわけではなく、フラットな印象。
お肉屋さん風サラダ。その名に恥じず、ものすごいシャルキュトリ(charcuterie:食肉加工品全般の総称。ハム、ソーセージ、パテ、テリーヌなど)の量です。もはやサラダを食べているのか肉を食べているのかがわからない、表参道で最も酒を欲するサラダです。
馬肉のタルタル。生肉好きにはたまらない逸品。タフでマッチョな鉄分が味蕾に響き、実に健康的。味付けも濃く体育会系の味覚で旨い旨いとガッついてしまいました。ただし連れから「あなたはナマが好きだからバイアスがかかっている」との指摘も受けました。
ワインはグラスでカリピノとガルナッチャを1杯づつ頂きました。いずれも1,000円かそこらであり、気軽に飲み進めることができます。メインは茨城県産のジビエ、尾長鴨のロースト。ちょおっとコレは臭いですね。官能的で高貴な香りを通り越して、動物園の臭いがします。もちろんジビエは個体の品質を事前に確認することはできないので、これはこれで仕方ない。互いに笑って済ますのが大人の男女である。
飲んで食べてひとりあたり7,000円と少し。この立地このボリュームこの品質では中々にリーズナブルです。ガラガラに空いていたのが謎。もっと混んでもいいと思うのだけれど。少なくとも十番にあればヘビロテするのにな。飲食店経営って難しい。
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