ひがし茶屋街の一軒家ワインバーへ。実に趣きのある街並みであり、この風情の中でワインを飲むなど、私も大人になったものである。
2階の個室に通して頂けました。畳敷きのちゃぶ台でノスタルジアを感じさせます。ちなみに1階は掘りごたつのカウンター席でした。
ワインの値付けが全般的に高く六本木価格です。地元民に言わせると「ひがし茶屋街で飲んでるの、みんな東京の客ですよ」とのこと。ドゥラモットのハーフは5,000円強と唯一の許容範囲内。
しかしながら店員がポンコツの極み。注ぐ際にドバァとこぼしたくせに「あ、スミマセン」の一言だけで済ましやがって、およそワインに対する愛情を感じられませんでした。お前500円分はこぼしたぞわかってンのか?この下手人がエレベーターがギリのタイミングで駆け込んできても「閉」ボタンを押してやるからな。
私は少し喉に痛みを感じていたため、主治医に薬を処方してもらっておいたのですが、セカンドオピニオンとして医者である連れに意見を求める。ついでに二日酔い予防のサプリなどを机に並べ合い、あっという間に不気味な薬漬けテーブルができあがってしまいました。
東京の一般的なワインバーとは異なり、お通しにひとひねり入っています。「こんなぐらいの薬の量じゃまだまだですよ。生活保護者なんてもっと凄いですよ。彼らは医療費が無料だから、何でもすぐに医者にかかって薬も貰い放題。精神系のクスリはあるスジでは人気だから、病院をハシゴして闇市場で売りさばく輩もいるんです」なるほど生活保護者の医療費は一般人の3倍近いと聞いたことがありますが、こういう所にも原因があるのですね。
ポテトサラダも結構旨い。
「精神系と言えば、医者の自殺者って結構多いんです。物凄く閉鎖的な社会だから、教授に嫌われたら終わりなんですよね。一般企業は人事権とかお金を握っている人は別々ですけど、医者の場合、教授が全てを掌握しているんです。教授のお気に入りの新人に手を出して転勤なんて日常茶飯事」ちなみに麻酔医の自殺方法は自ら致死量を打って気持ちよく死ぬという、セルフ安楽死が多いそうな。
ソーセージの盛り合わせは想像以上に盛り合わさっており、食べ応えがありました。
「『お客様の中にお医者さまはおられますか?』っていう、機内でのドクターコールに応じるのもリスクが大きいんですよね。こっちだって酒飲んでるし、専門じゃないかもしれないし、機器だって限られてるし。それでいて誤診で死んじゃって訴えられたら100%負けですからね。ボランティアで、ですよ。あ、ちょっとマイルもらえたんだっけな?」これはちょっと医者が不利すぎるルールですねえ。プライベートのバカンス中であろうが高邁な精神を発揮して無報酬であたってくれているのに、裁判では負けてしまうなんて酷すぎる。そのあたりの法的整備を誰か偉い人やっておいてください。
どっぷりと濃いワインを楽しみたくなったので、カリフォルニアのコチラ。値段の割に完成度が高く満足のいく1本。
「大学病院の医者、特に若手は本当にカネが無いんですよ。大学にもよりますけど、医局に50人の医者がいるとして、給料がちゃんと出るのは30人ぐらいですからね。残りの20人はタダ働き。若手は『貴重な症例を勉強させて頂いている』っていうスタンスなんです。だから夜と土日は他の病院でバイトです」何それ無理すぎぱみゅぱみゅじゃん。貧すれば鈍す。市民の健康のためにも、この仕組みも誰か偉い人解決しておいてください。
「そういう所に目を付けて、美容外科がどんどん若手をスカウトするんですよ。研修医終えたての学生と変わらない奴らが肌を切り刻んでるんですよ、怖くないですか?とはいえ美容は人気商売の実力主義ですから、指名が入らない医者はすぐに地方に転勤させられますけどね」ちなみに例外の病院があって、その名は高須クリニック。あそこの病院は全員が専門医のエキスパート集団で、レベルがまるで違うとのことです。
私が整形手術をする際には、まず最初に高須クリニックの扉を叩くことを心に決めた夜でした。
私が整形手術をする際には、まず最初に高須クリニックの扉を叩くことを心に決めた夜でした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。