「富山湾の宝石」とも称される白えびを主力に据えた「白えび亭」へ。駅ビルの中のおみやげ物センター「とやマルシェ」に出店している観光客向けのお店です。
10時から開いているので旅行者には有り難い存在。ピークタイムは行列も生じるなど、大人気のお店です。
価格は驚くほど高い。「白えび刺身丼」は2,480円という強気の設定。これだけのカネがあれば、スシローで死ぬほど満腹になることができる。その満足度に打ち勝てるかどうかが論点でしょう。
「富山スペシャル丼」と「白えび刺身(単品)」を注文。合計で2,500円。ぐぬぬ、朝食にしては贅沢な投資です。
「富山スペシャル丼」。白えびのかき揚げやブリの天ぷら、ホタルイカの天ぷらという、冒頭に述べた富山県の三大海産物が詰め込まれた丼です。
かき揚げは1匹ずつバラバラにして揚げられており、素材のピュアな風味を楽しむことができます。火の通りも頂点の一歩手前のミディアムレアであり、サクサクした食感と、クネっとした甘味が調和してグッドです。ブリやホタルイカも美味しいのですが、わざわざ当店で食べる必要は無いかもしれません。
コチラは刺身。これだけで800円です。ねっとりとした食感に強い甘み。もちろん美味しいのですが、それではスシローの甘海老よりも8倍旨いかと問われれば答えはノー。800円の価値はありません。300円ぐらいでちょうどいい。
お椀は予想外に美味。もっというと、小松弥助のそれよりも解かり易い調味で私は好き。
お漬物は既製品ですね。あってもなくてもどっちでも良い存在感の無いものでした。
味見なのでしょうか、別の会社の煎餅が添えられていました。多少はエビの風味はしますが、かっぱえびせんより旨いかと問われると疑問。ここまで来ると、白えびの素材としてのポテンシャルに疑問を感じざるを得ません。
ちなみに連れは白えび天丼1,280円。コアコンピタンスを追求した料理であり、普通の観光客はコレで充分でしょう。
美味しいですが、ちょっと高すぎですね。当店は手むきに拘っているそうですが、そのコストと味覚のバランスが適正かどうかは疑問。話のタネには良いですが、本気食いするには費用対効果が悪すぎるお店でした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。