瑞穂(和食ディナー)/にっぽん丸

最後の夜のディナーは和食。和歌山からの出港であるためか、緑茶梅酒という食前酒をお出し頂けました。
先付けが豪華。ぱしふぃっくびいなすの元旦を彷彿とさせる彩りの豊かさです。宴会料理は洋食よりも和食のほうが上手くやりやすいのかもしれません。そういう意味で、結婚式披露宴の食事を和食にしてしまうのは意外に良いのかも。酒代も安く抑えられそうですし。
茶碗蒸しはフグの白子豆腐。これは旨い。蟹身の餡かけも旨味が強くグッド。今回の航海を通して最も記憶に残った料理でした。
お造りは「本日仕入れた黒鮪と鰤のお刺身盛り合わせ」。おおー、これも旨い!ランチの「寄港地の新鮮なネタの数々」とは雲泥の差であり、都内の立派な和食店で食べるそれと遜色ありません。
「本日仕入れた」証拠に黒鮪の頭と尻尾がプレゼンテーションされていました。やればできるじゃないかにっぽん丸。ランチの「市場が開いていない」との言い訳は何だったのか。私は根に持つタイプなのである。
焼き物は黒毛和牛の山椒焼き。これはイマイチ。牛肉の質は悪くないものの、調理してから時間が立っており脂が浮いて胸に来る。山椒の風味にも乏しく、出来の悪いカルビの焼肉のようです。
酢の物は「かまくら漬け」とのこと。具材は不明でしたが、ビシリと酢がきいており口直しには悪くありません。
炊合せ。こちらも冷えに冷え切っており勿体無い。素材はそれほど悪くないような気がしたので、できたてホヤホヤで食べたかった。
天ぷらは予想通り美味しくありません。まあ、天ぷらは揚げてから秒単位で味が落ちていく料理なので、数百人に対して提供するなど土台無理な話です。梅干しを天ぷらで食べるのは初体験なのですが中々に興味深く、ありよりのありです。
和歌山県産の太刀魚の炊き込み御飯は魚の量が中々に多く、炊きたてを食べることができればより満足度は高かったかもしれません。シジミの赤だしは芯のある味覚で結構好き。
デザートは砂糖の甘さ主体で好きじゃない。まあ、和菓子とはそのようなものである。

ランチと同じレストランとは思えぬほどであり、船内食という意味でもレベルの高い料理でした。このクオリティを昼も夜も維持できれば、総体として日本船も外国船と同じ土俵に立てるかもしれません。ディナーでできるのだから、ランチでもできるはずだ。


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