17:30のオープンと共に一斉に席に着くゲストたち。昨年のぱしふぃっくびいなすのメインダイニングは田舎の大規模温泉旅館のような雰囲気ですが、当船は上手く段差を配しており、船らしさを上手に引き出しています。
オードブルはカンパチのマリネにカリフラワーのソース。カンパチに燻製の香りが塗布されており、また表面は香ばしく焼き目がついており、変な言い方ですが普通に美味しかった。カリフラワーのソースも上々。ランチとはまるで別のお店です。
スープはカボチャのクリームスープ。濃厚かつ緻密。舌の上でザラりと感じるカボチャの食感。ボリューム感があり旨い。これは恐らくきちんと船内で作っているのでしょう。万が一にも既製品なのであれば、是非とも仕入先を知りたいところです。
パンは全く美味しくありません。コンビニ以下でした。
スズキとオマール海老のロティ。高級食材を用いてはいますが機内食感に溢れており料理としては中くらい。ムリに魚を挟むのではなく後述の肉料理を充実させたほうが選択と集中があって良いような気がします。
口直しにはリンゴの氷菓。シルクのように滑らかな舌触りであり甘さと酸味のバランスが良い。この繊細な味覚は外国船のレストランでお目にかかることはありません。天晴です。
牛フィレ肉のポワレ、フォアグラムース添え。驚きました。肉が旨いのです。低温調理なのか、これだけの人数の食事を一気に提供している割に悪くない火入れです。キノコが入ったフォン・ド・ボーも上々の仕上がり。少なくともこれまで乗った日本船(飛鳥Ⅱ、ぱしふぃっくびいなす)の中では最もレベルの高い肉料理でした。
ただし、肉の上にピョコンと乗ったフォアグラムースは不要です。フォアグラそのものでないので貧乏くさいし、何より質が良くない。先の魚と同様に不要な食材です。
料理の締めくくりとして、このタイミングでサラダを出すだなんて、なんと正統的なフランス料理なのでしょう。嬉しくはあるものの、船の上でここまでやる必要があるのかという気がしないでもない。味わいは至って普通ですし。
デザートは洋梨のケーキ。洋梨のムース部分は悪くないのですが、土台のビスキュイ(スポンジ)が不味い。氷菓の評価が高いので、ムースとアイスクリームだけの皿で充分な気がします。
エスプレッソは淹れたての大容量サイズで普通に美味しい。スタバなどのコーヒーチェーンと同等かそれ以上です。
全体として日本船のディナーとしては大変満足できました。先にも述べましたが、ランチと同じスタッフが作ったとは思えないほどのレベルが違います。もう少し皿出しのテンポを良くし、あまり色んな食材に色気を出すことなく料理に選択と集中を進めることができれば、外国船におけるディナーに肉薄できそうな気がします。
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