小林健二シェフはパリの名店『デュ・パン・エ・デジデ』で修業後に日本で独立。バターはフランスのレスキュール社製ですが、小麦粉は日本産の小麦を用いているとのこと。
いわゆるバゲットなどの硬派系だけでなく、オカズ系パンもたくさん。小体なお店ながらも取り揃えるバリエーションは多種多様。さてフランスと日本の風土の違いをどのように日本の食卓へ展開するのか。
クロワッサンは思いのほかバターの風味が乏しく期待値に届きません。造形や食感は悪く無いのですがコンパクトな味覚です。本場フランスで食べる、うんざりするほどコッテリしたクロワッサンとはベクトルが大いに異なる。
右下のミニパヴェはひよこ豆・ベーコン・ほうれん草といった布陣。こちらは小麦の滋味に溢れた生地であり、ほどよい調味の具材と相俟って悪くありません。
『デュ・パン・エ・デジデ』出身者の代名詞エスカルゴ。ティラミス味です。なのですが、クロワッサンと同様にコクに乏しくフラットな味覚。私好みではありませんでした。
いずれのパンも1個300円前後なので、フランスのパン屋の醍醐味である「毎日気軽に買う」という気分になりづらい。お店の方は実に感じが良く実直な雰囲気なのですが、やはり味わいを考えると割高に感じてしまいます。例えば近所のピカールでは本場フランスの冷凍クロワッサンを10個843円で買えてしまうことを考えると、ついつい費用対効果というフレーズが頭の中に浮かんでしまう。
テロワールが全く異なる日本にフランスの本格派を導入するのは難しいのかもしれないな、と感じた土曜日の朝でした。
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