秋川雅史が忘年会の距離で千の風になってくれた夜


美味なる船『にっぽん丸』に乗船中の我々。ここでは当航海における夜のエンタテインメントについてご紹介します。やはり目玉は秋川雅史のコンサート。


■舞踏集団『菊の会』
現代の芸人であれば1分ぐらいで済むコントを、踊りを交えながら延々30〜40分かけて演じ続けるので、モダンな私は眠りに落ちてしまいました。ダンス中、長い髪を振り回すためにずっとヘッドバンキングしてたので、演者が首を痛めていないか心配。


■高橋孝民謡団
このような機会でないと和式のエンタテインメントに触れる機会はないので私は観にいくつもりだったのですが、「ゆうべ全然だったじゃん。パスパス」と妻。彼女の意見には従順な私。


■秋川雅史コンサート
今回のクルーズはこれを観るために乗ったと言っても過言ではありません。この手の音楽に詳しいというわけではないのですが、紅白に複数回出場している歌手の肉声を目と鼻の先で楽しむことができるなんて!しかも同じ船に寝泊まりするのでワンチャンあるかもしれません(何が)。

毎晩のエンタテインメントは21:00開場21:15開演なのですが、この日はやはり紅白歌手パワー、少し早めの20:40に会場前に到着しても既に行列が出来上がっていました。開場と共になだれ込む観客たち。「老人は足腰が弱い」という定説の真偽は如何に。
我々は前から4列目を確保。ミスター秋川まで数メートルであり、世界的に成功を収めているテノール歌手の肉声を忘年会の距離で楽しむことができるとは感激です。

ショーの始まりはイタリアの歌から。当たり前ですがテレビで観たまんまの秋川氏が手を伸ばせば届きそうな距離で歌っています。歌声というよりは一本の管楽器が鳴っているという印象で、およそ人間とは思えないほどの莫大な声量です。
MCではくだらない冗談も飛ばすミスター秋川50歳(写真はにっぽん丸公式ウェブサイトより)。今夜を迎えるまではいつも胸をはだけさせたエロい系のオジサマかと疑っていたのですが、実際には当意即妙に軽口を叩くおもろいオッチャンでした。
ちなみに彼は新宮より乗船し、まず最初に7階のリドテラスにハンバーガーを食べに行き、その場に偶然居合わせた乗客と簡単な挨拶を交わしたとのこと。ホラやっぱりワンチャンあったじゃないか。
彼は今回の船上コンサートが2018年の仕事初め。彼らのような歌い手は普段から喉を鍛えているため、コンサート後に喉が痛くなるということは無いとのこと。一方で、コンサートの2時間は立ちっぱなしで思い切り踏ん張って歌っているため、脚がパンパンになってしまうとのこと。いわんや今回のような船体の動揺がある会場をや。

コンサートの最中、「みなさんの青春の歌謡曲は何か」と彼が尋ねて周るコーナーがあり、私は『恋愛レボリューション21』と答えて笑いを誘ってやろうと構えていたのですが、残念ながら指名されることはありませんでした。

やはり『千の風になって』は名曲。アンコールの『翼をください』で興奮は最高潮に。私は『翼をください』世代ではなく、オッサンがカラオケで歌っているのを聞いて知ったぐらいの認知レベルだったのですが、その知識の浅さなど問題としないほどの圧倒的な迫力であり、ああ、やっぱり音楽っていいな、と素直に感動したひとときでした。
今回の船旅につき、あれこれと文句ばかり言ってしまいましたが、このコンサートを用意することができたという事実だけで商船三井客船には拍手を贈りたい。またこのような目玉コンサート付きのショートクルーズがあれば是非とも参加させて頂ければと存じます。辻井伸行とか葉加瀬太郎とか呼んでくれないかな。


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