2018年バレンタイン総括

頂いたバレンタインチョコレートを並び立て、インターネットを通じて全世界に自慢するという上品とは言い難い趣味を有する僕ですコンニチワ。

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サロン・デュ・ショコラ2018食べ歩き速報!でも報じた通り、引き続きチョコレート業界はビーン・トゥ・バーに首ったけ。その中で異業種からの参入が増え、ショコラティエたちの新陳代謝が図られ、シェフたちの若年齢化が進んでいるような気がしました。

保存性や移動性に因るためか、料理人よりもチョコ職人のほうがビジネスとして成功している人が多いような気がします。しかしながら多くのショコラティエたちがその道に入ったキッカケとは「最初は料理人だったんだけど、労働時間が長くて辛かったから」。まるでダメな大学生のバイトのような軽い動機から大成している方が殆どなんですね。沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり。まったく禍福というのは予測できないものである。


■ジャンポール エヴァン(JEAN-PAUL HEVIN)
https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130602/13022664/
何と言っても私は彼のショコラが一番好き。クーベルチュールが圧倒的に美味しく、ボンボンのセンターのセンスも素晴らしい。もちろんこれは論理の問題ではなく、感性や好みの問題です。
今回は写真右上の『サンジュー(Sanju)』がお気に入り。爽やかな柚子の風味とバジル風味がお洒落かよ。客にある程度の経験値を要求する複雑なショコラティエです。


■ドゥバイヨル(DEBAILLEUL)
https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130202/13054550/
「すべての味わいの結晶」が哲学のドゥバイヨル。創業はM.O.F.マルク・ドゥバイヨル、現在はロイック・グランダンとジル・ドゥマンジュが取り仕切るベルギーのメゾンです。
オランジェット(オレンジピールをチョコで包む)やシトロネット(レモンピールをチョコで包む)、マンディアン(メダル型チョコレートにナッツやドライフルーツをのせたもの)など様々なタイプのショコラがギュウギュウに詰め込まれています。多種多様な方向性を一箱で楽しむことができ嬉しくなります。


■グリーン ビーン トゥ バー チョコレート(green bean to bar chocolate)
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13188866/
中目黒にあるbean to bar専業ショコラティエであり、今回のバレンタインで最も衝撃を受けたチョコレートです。もちろん存在は知っていましたが、食べるのは初めて。
用いる材料はカカオと砂糖のみ。少量生産にこだわり、いつ砂糖を加えるか、コンチングはどれぐらい回すかなど、カカオ豆の特製に合わせてひとつひとつの工程を微調整する執着心。その甲斐あって、シンプルなタブレットですら輝かしい味わい。衝撃のある赤いフルーツの香り。参りました。
ボンボンショコラもヨーロッパの高級ショコラティエに勝るとも劣らず。しかしながらクーベルチュールが実に特徴的な風味でありセンターが霞んでしまう。やはり当店の真骨頂はタブレットでしょう。
オマケで頂いたカカオティー。これは、、、あんまり美味しくありませんwすいません。カカオの香りが強烈なのですが無味で困惑。違和感を感じてしまいました。


■アルノー・ラエール(Arnaud Larher )
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13217253/
こいつはたまげた!アルノー・ラエール!彼が最後に日本のサロショに出店したのは2016年。2017年、2018年は見かけておらず、日本市場は見限られてしまったかと口惜しく感じていた2018年1月に、広尾に路面店を電撃オープン!
彼もM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)パティシエであり、果物やスパイスを絵のように複雑に織り込んだショコラを期待していたのですが、意外にも質実剛健な味覚。センターは基本的にプラリネかガナッシュであり、ショコラティエとしての実力を認めざるを得ないクオリティ。
こちらはカラフルなマカロン?ノンノン、実はこれ、キャラメルをショコラでコーティングしたお菓子なんですね。緻密なキャラメルに本格派のショコラで優しく包み込む。食べて驚く作品です。


■レダラッハ(LADERACH)
スイスのお家芸であるミルクチョコレート。その最右翼に位置するのがチューリッヒ郊外の町エネンダで気を吐くレダラッハ。私がスイスに行った際には糖尿病を恐れず良く食べたものです。
ハチさんがぐうかわである。ミルクチョコレートの優しい味わいはもちろんのこと、プラリネがすごくいい。ちなみにプラリネとは焙煎したナッツ類(主にヘーゼルナッツやアーモンド)に加熱した砂糖を和えてカラメル化したもの。カラメルの心地よい苦味とナッツの香り、ミルクの円みのある舌触り。


■ヴォワザン(Voisin)
創業1897年という大御所。リヨンのショコラティエで、『EPV(無形文化財企業)』という、フランス経済産業雇用省より優秀な職人や特別なノウハウを有するフランス企業に認定されており、伝統と現代の融合を語らせれば右に出るものはいないショコラティエです。
左のPalet d`or(パレ・ドール)が出色。重厚感のあるガナッシュを、これまたヘヴィに包み込むビターなショコラ。散りばめられた22金箔もゴージャス!


■メリーチョコレート
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27077338/
これはオカンから貰いました(笑)。日本のチョコレートメーカーの老舗。2000年にはサロン・デュ・ショコラ パリにヨーロッパ以外のブランドとして初出展するなど意欲は高い。勢いをつけたメリーはプレステージブランド「トーキョーチョコレート」を創り、「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ(C.C.C.)」よりトップショコラティエに与えられる最も栄誉ある賞「C.C.C.アワード」を受賞するなど、躍進を続けています。

味覚は昔ながらのミルクチョコレートが多い。砂糖の甘味が強く親しみ易い味わいです。お子様も含め、万人受けするショコラティエです。


■ゴディバ(GODIVA)
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27020270/
大阪で突発的に時間ができたので、「突然だけど、今からお茶できない?」と友人に連絡。「ちょうど最近○○さん(私の名)にお会いしたいと思ってたところだったので嬉しいです!!」と2つ返事でOK。「遅くなってスミマセン!これ、バレンタイン!」連絡してから数時間しか経っていないのに、何とかチョコレートを見つけてくる姿勢。これは何にも勝る調味料である。
箱を開けるとトリュフ特集でした。様々なフレーバーのセンターに、クリスピーな食感の外皮。これほど多種多様な味覚を1粒に凝縮するショコラは珍しい。まるでショコラというよりも、パティスリーのよくできたケーキのようです。口当たりも軽く、一気に食べ切ってしまいました。


■フランク・ケストナー(Franck Kestener)
http://www.salon-du-chocolat.jp/archives/2018/brand/franck-kestener
「フランク・ケストナー好き?」とメッセージが入ったので、好きだよ、去年のサロショで自分で並んで買ったぐらい好きだ、と返す。「それじゃ、今から持ってくね!」と、本当に家の前まで持ってきてくれました。彼氏連れで。
開けて驚き、超特大。ハコのフタがマグネットで閉じられる工夫がされているくらい大きいです。こんなにも上質なボンボンに囲まれ絶頂に達する。
妙に厚いハコだなあと持ち上げると、さらにもう一段ありました。これは食べる前から鼻血モノ。もちろん一粒一粒が極上のショコラであり、全体としてセンターとクーベルチュールのバランス感覚に優れているように感じました。血糖値はマックスであり、自分の墓石に刻み込む文句を考えずにはいられない。


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男、かつ、左党の割にスイーツも大好きです。特にチョコレートが好きですね。JPHが基準なので、スイーツの評価は厳し目かもしれません。

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