南麻布 あら喜/麻布十番


三の橋交差点近くの居酒屋。麻布十番駅からだと10分近く歩きます。「興味あるんだけど、十番じゃない友達を誘うのは悪くって」ということで、私にお鉢が回って来ました。
想像以上にきちんとした店構え。い、居酒屋じゃなかったの?軒先に吊るされた杉玉が日本酒に対する矜持を感じさせます。
暖簾をくぐると一転して、やはり居酒屋でした(写真はぐるなび公式写真より)。客の平均年齢は50歳オーバー。これぞ居酒屋という喧騒に満ちており、あまりしっぽり飲む雰囲気ではありません。タバコもOK。

先に到着していた連れがしかめっ面でメニューを眺めています。「ねえ、ちょっと、びkっくりするほど高いんだけど、ココ」
まずはビールで乾杯。私もメニューを眺めると、なるほど確かに妙に高い。刺身のほとんどは2,000円を超え、細かなアテも1,000円から、焼き魚などの大物は3,000円を超え、りゅうの介のような値付けです。板わさが900円、たまごかけごはんが1,000円というのはさすがにやりすぎのような気がします。
ズワイ蟹かにみそ和え。味は悪く無いのですが、大さじ2杯ほどの量で千円を余裕で超えてきます。しかも店員に「料理人は1人しかいないので、なるべくまとめて注文してください」との指導が入りました。無言で連れと頷き合い、さっさとお店を出ることに決定。
フードに比べると、酒は相対的に安いかもしれません。例えばこの東一は1合で950円です。
あん肝。1,800円という値付けだったので、それなりの量が出てくると思いきや、カントリーマアムほどの大きさが2切入っているだけでした。味は悪く無いのですが、仕入れたものを切って出すだけにしては高杉晋作です。
ブリ刺は2,500円。「ねえ!これ、1切400円超えてるわ!」と躁状態に入る連れ。「鮨屋と同じってわけね。でも、それなら鮨屋に行くなあ」彼女はなかなかの鮨マニアであるため魚に対する審美眼が鋭く精緻である。ちなみに店員の予告通り、注文してから40分以上かかりました。

ちょっと使い方が見えないお店です。カジュアルな雰囲気なのに滅茶苦茶高い。私が普通に飲み食いすれば2万円近く要すると思います。かといって感動に満ちた味覚かというとそうではなく、そこらの居酒屋よりはまあマシかなといった程度。ホールスタッフはワラワラと4~5人いるのに、料理人が1人という布陣も謎。20席を1人で回すなど千手観音でも無い限り土台ムリというものです。

という話を、「あら喜には30回以上行ってる」という、20代の常連の女の子に述べると、「そうなんだ。あたし、一度もお金払ったことがないから」とのことでした。誰と行っとるんや。


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