ザ・リッツ・カールトン香港の102階にある広東料理レストラン。ミシュラン2ツ星。夕食のコースメニューと酒をそれなりに楽しめば3万円を超えてくる高級店ですが、Dim Sum(飲茶)であればひとりあたり数千円で済むお店です。
天井がとにかく高く、贅沢な空間使いです。テーブルの間隔も広く周囲の喧騒に会話を邪魔されるということもありません(写真は公式ウェブサイトより)。
「地球の歩き方」の方との会食。バッチリ窓際席を確保しておいて頂きありがたやありがたや。
ランチタイムなので点心を中心にオーダー。ところで点心と飲茶の違いについて整理すると、「点心」とは焼売、小龍包、肉まんなどの小腹を満たす小皿料理のことであり、「飲茶」とは点心を食べながら中国茶を飲む食事スタイルのことです。したがって、「飲茶する」とは言っても「飲茶を食べる」とは言いません。
飲茶にはおなじみのお通し、胡桃の飴炊き。胡桃は全く酸化していない品質の高いものでした。程よい甘さと脂のコクがマッチし、思わず手が伸びてしまいます。
芝麻海蜇凍鮑絲(Chilled shredded abalone with jellyfish in sesame oil)。アワビとクラゲの冷菜。クラゲの味わいは中くらいですが、アワビが思いのほかタップリと盛り付けられているので、2,000円弱の皿としてはリーズナブルかもしれません。
「エビ好きには絶対にオススメです!」と勧められたのが貼大蝦多士(Deep-fried shrimp toast)。なるほど実に美味しい。高品質かつ大ぶりなエビが気前良くドコンドコンとトーストの上に並べられています。「割と定番な点心なんですけど、このお店はエビとパンの比率がヘンなんです」一般的にはエビ1パン3のカナッペ状態であることが多いらしいのですが、当店は実に1:1。
肉帶子香煎小籠包(Pan-fried pork dumpling with crab meat, scallop and
spring onion)。カニ肉主体の焼小籠包と言ったところでしょうか。
「スープがビュっと出てくるので、一旦このお椀の中で崩してからお楽しみ下さい」と店員よりアドバイス。確かにおびただしい量のスープが溢れ出てきました。しかもその1滴1滴に海の味覚が凝縮されており、カニよりもカニの味がします。生地もシットリとモッチリにカリカリという複雑な食感を保持しており名脇役。本日一番のお皿でした。
西班牙黑豚肉叉燒腸粉(Steamed rice roll with barbecued Iberian pork)。イベリコ豚のチャーシューをお米のクレープで包んだもの。濃厚で実直な豚肉を、向こうが透けて見えそうなほどのシルキーな生地で優しく包む。甘辛いソースがクセになる味わい。昨日のライスロールとはもはや別の料理です。
〆の小菓子はクッキーにお餅。お餅の中にはエッグタルトのカスタードクリームのようなものが入っており、周りを包むココナッツパウダーも好印象。こういった料理の甘味は食べたことを後悔するような甘さに満ちていることが常ですが、当店のそれは行儀正しい甘さであり、その他のデザートにも興味を芽生えさせてくれました。
お会計はひとりあたり5,000円弱。ラグジュアリーホテルのサービスと雄大な景色(香港イチ高所にあるレストランです)を堪能してこの支払い金額は悪くない。ヘンな展望台に行くよりも余程有意義なお金の使い道です。きちんと美味しい飲茶を楽しみたい際に是非どうぞ。
これは出口に通ずる通路兼ワインセラー。目がくらむほどギンギラギン。ドレスアップしてポーズを決めるにもうってつけのお店です。
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