ゴールドマン・サックス社員の給料が高いカラクリ

火鍋の2次会として銅鑼湾のルーフトップバー、SKYEへ。昨晩のCÉ LA VI と異なりテーブル席が多く、立ち飲みを強いられることはありません。ハコが大きいため、7人で23時頃の入店でも余裕で座ることができました。
さて今夜のメンバーはプライベート・エクイティ勤務が2人に金融系が3人、日本から来たエンジェル投資家、そして私。いやあ、お金の匂いがプンプンします。

しかしながら、六本木あたりで幅をきかせているギラついた金融ボーイとは異なり、香港の皆さんは非常にマイルド。黙っていればそのまま体操のお兄さんにでもなれそうな柔和な方々です。やはりこれからの時代はニュートラル系男子である。
意外にも酒が安い。ややこしいカクテルでも1杯1,500円程度であり、ボトルのワインであっても5~6千円代からスタートします。我々のようなグループ利用も楽しいですが、気の合う友達と2人で1本をシェアしながら、豪壮な夜景をツマミにじっくり語り合うのも良いかもしれません。
女の子のひとりがサンタクロースでも苦労しそうなほどの巨大な紙袋を提げています。「お昼休みに衝動買いしちゃって〜。ブーツとか色々、4足も買っちゃいましたあ~」ブランドネームに目を凝らすと、燦然と輝くジミー・チュウのロゴマーク。4足だと40〜50万は下らないであろう。それを勤務時間の合間に衝動買い。これが香港流の金遣い。
ところで「ゴールドマン・サックス社員の平均年俸はウン千万円!」のように、金融系ビジネスマンの高収入を煽るニュースが多く、それに対して羨望したり嫉妬したり、ややもすると「彼らの何十分の一しか稼いでいない自分は人間として無価値なのではないか?」と自信を失ってしまう方がいますが、あんまり気にする必要はないですよ。

彼らの所得が高いカラクリは、金融という産業は動く金額が巨大な割にそこで働く人々が少なくて、結果としてひとりあたりの取り分が多くなっているだけであり、ヒトとしての能力が一般人の何倍も高いというわけでは決してありません。

もちろんそれなりに知能が高い人間が揃っているのは確かですが、それは「足が速い」「背が高い」「視力が良い」程度の個体差であり、そうでない方々の努力が不足しているというわけではないのでご安心ください。
私も色々なお金持ちの方とお会いし、莫大な資産を築いたプロセスを聞くことを趣味としているのですが、「いやあ、たまたま運が良かっただけですよ。特別な努力なんてしてません」という、身も蓋もない発言が彼らから頻発し、ある意味ガッカリ、ある意味この先の人生に希望を見出すことも多いです。
何が言いたいのかというと、お金に関して上を見るのはキリが無いのでやめておいた方が良いということです。塩水は飲めば飲むだけ喉が渇く。

「100億円稼いでそれを元手に月旅行ビジネスを始めたい!」のような強烈な動機があるのであれば話は別ですが、漫然と「お金持ちになりたいなあ」ぐらいの低いモチベーションしか無いのであれば、今あなたが楽しいと感じることに精出し、今あなたが一緒に居たい人と居る時間を長くすることに務めたほうが、あなたの人生にとって余程有意義です。収入が小さいのを気にしているのは自分だけで、他人はぜんぜん気にしていませんからね。

お金なんて呪いのようなもの。稼げば稼ぐほど魑魅魍魎の輩に包囲されるのです。


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SKYE
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