この日のディズニーシーは連休真っ只中であり、いつにも増してレストランの混雑が酷い。テーマパークまで来てファストフードの列に並ぶことほど馬鹿げたことは無いので、17時前の中途半端な時間帯にパーク内の最高級レストランへ。
マゼランズ。メディテレーニアンハーバーに位置するレストラン。ディズニーリゾート内としては珍しく、キャストがテーブル席に案内し注文を取り料理をサービスする、テーブルサービスのお店です。
記帳台に名を連ねる際に「ワインセラーの部屋が良い」とリクエストすると、意味ありげな微笑みを見せながら小さく頷くレセプショニスト。この裏技は沖縄在住の堀未央奈似ダイバーに教えて頂きました。
トイレ近くの本棚前に案内され「秘密の入口へのボタンをどうぞ」とキャストに促され、手探りでボタンを探す。
忍者屋敷よろしく本棚が横にスライドすると、ワインセラーを模した秘密の部屋が広がります。メインダイニングのワイガヤとした雰囲気も良いですが、ワインセラー内の秘密結社めいた空気感も面白い。
大きなワインリストの中から泡を選択。偉大なワインなどはオンリストされておらず、そもそもの絶対価格が安いワインを取り揃えているという印象。ちなみにコース料理にはおかわり自由のソフトドリンクが付帯するため、無理にアルコールを注文する必要はありません。
ワインのサービスは完全に素人ですね。ポーンと盛大にコルクを開け、グラスいっぱいに並々と注ぐ。一口でも飲めば注ぎ足しに来るという、おせっかいに満ちたサービスです。
¥5,660の「パシフィック」というコースを注文。オードヴル、サラダ または スープ、アントレ、デザートから、1品ずつ選ぶプリフィクススタイルです。
帆立貝のポワレ、バルサミコソース。見ての通り美味しくありません。ホタテは恐らく冷凍モノであり旨味が抜け臭みが浮いてきています。ソースは先に皿に描いているのかカピカピに乾燥しており、ソースとしての役割を果たしていませんでした。
連れはオードヴルの盛り合わせ。こちらも洋風居酒屋のそれといったところでしょう。
ライ麦のパンに、米粉のパン。こちらは覚悟していたほど悪くありませんでした。
本日のクリームスープはサツマイモ。こちらも大量生産が見て取れる平板な味わいではありますが、わかりやすい味付けであり200席の大箱で食べるものとしては上々です。
私のメインはオマール海老のポワレとパートブリック、フレッシュトマトソース。一口食べて驚き。旨いのである。結構な大きさのオマール海老はシンプルにそのままの味覚。パートブリック(春巻き)の中にはたっぷりのオマールと生ハムが詰め込まれており、万人ウケする味わいでしょう。
連れは牛頬肉の赤ワイン煮込み。一口頂きましたがこちらも中々の仕上がりです。同価格帯のビストロと同レベルと評しても過言ではないレベル。
デザートは本日のデザート。チョコケーキにアイスクリーム。これは普通ですね。申し訳程度のハッピーバースデーの文字が哀愁を漂わせます。
連れはクレームブリュレ。こちらも一口頂きましたが、これまた同価格帯のビストロと同レベルであり悪くありません。量もたっぷり。
ふたりで1本飲んでコースを食べ、合計で1.5万円。こんなもんでしょう。もちろん都内の気のきいたレストランで1.5万円も費消すればかなりのレベルの料理を楽しむことができますが、ここはテーマパーク内。待ち時間の少なさや快適さ、客層、サービスレベルを考えれば値段相応の食後感です。
ちなみに今回の秘密の部屋は予約不可。軒先での記帳の際にリクエストしておとなしくして待つしかないのでご注意を。世界一公平で排他的な空間です。
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