ベルアメール 京都別邸/烏丸御池

ベルアメールとはショコラの特長である「美しい」「苦い」を意味する言葉。2003年の創業以来、気候・湿度の変化が激しい日本において、「日本に合うショコラ」を目指す日本のチョコレートブランドです。
ここ京都別邸三条店は2周年を迎え、また、2017年9月には銀閣寺参道にも出店するなど、破竹の勢いで広がりを見せるショコラティエ。ちなみに京都別邸三条店のすぐ近くにはJPHの京都店があります。
ボンボンショコラ。数十種類が用意されており、また、デザインも可愛らしいものばかりで目移りします。一粒300円弱とボンボンショコラにしては安め。しかしながら箱代210円を請求するなど商魂逞しい。
こちらはスティックショコラ。ミニチュアのアイスクリームバーのような外観に色とりどりのトッピング。ベルアメールの名を世に轟かせた立役者。
タブレットショコラ。和のモチーフで繊細に仕上げた板チョコレート。京友禅和紙を使用した華やかなパッケージ。
パレショコラ。直径6cm厚さ6mmのまるい板チョコレート。それにしても、それほど大きくないアトリエでこれだけのラインナップを揃える商品力には脱帽。
スティックショコラ、ボンボン、タブレット、パレショコラを購入。これだけ買って3,000円と少しと、欧米系のショコラティエに比べると割安です。「そんなに買って、誰かへのお土産?」と連れが尋ねるのですが、全て自分用です。独り占めです。
さてボンボンショコラ。上段左から「白味噌ココナッツ」「米酢マンダリン」「ほうじ茶ピスターシュ」。下段左から「抹茶シトロン」「きなこキャラメル」「雨とあじさい」です。

一口食べて顔色を変える。不味い。連れからは「ちょっ!顔!怖いから!怒らないで!」とビビられるレベルです。捻りに捻っているのはわかるのですが、そのベースとなるクーベルチュール(土台となるチョコレート)が全く美味しくない。これはチョコレートではなく砂糖の塊である。「あの素材とこのスパイスをつなげたら面白いのではないか?」というその場限りのアイデアを具現化させただけであり、チョコレートとしての本質を全く欠いたボンボンショコラでした。

当店のチョコレートに対して禍々しい印象しか受けなかったので、ここから先は写真を取ることさえ忘れてしまう。

続いてスティックショコラ。ボンボンとベクトルは全く同じであり、チョコレートとしての本質を捉えておらず、コンビニのチョコレート菓子と大差ありません。これで500円台半ばという費用対効果の悪さに頭を抱えてしまいます。

パレショコラ。こちらもチョコレートというよりは砂糖です。とにかく甘く、フレーバーの風味(例えばパッションフルーツとかほうじ茶とか)が前面に出すぎており、ブラインドで食べればチョコレートとは気づかないかもしれません。

タブレットショコラは銀閣の造形が印字されたもの。こちらについてはカカオの深みが感じられ、チョコレートとしては悪くありませんでした。しかしながら添加されたスパイスは七味であり、面白くはあるものの奇をてらっているだけ。食べ物としての完成度は低い。

酷くがっかりしたチョコレートでした。ショコラの種類やフレーバーを増やしすぎのような気がします。スープの種類がやたら多いラーメン屋がパっとしないことが多いのと同じく、当店もこれぞという本質的なチョコレートの味わいを感じることができない。

タブレットショコラに多少の可能性は見出すことができたので、もっと商品展開を絞って、根源的に美味しいチョコレートを発売してくれることに期待。


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男、かつ、左党の割にスイーツも大好きです。特にチョコレートが好きですね。JPHが基準なので、スイーツの評価は厳し目かもしれません。

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ベルアメール 京都別邸