AURELIO(アウレリオ)/神泉

アウレリオ。こちらもpenの特集で知ったお店です(写真は公式ウェブサイトより)。しかしながら連れは「ああ、アウレリオね。知ってる知ってる」と面目丸つぶれである。
ワインはイタリア産のものを中心に自然派ワインばかり。生産者はおろか品種すら危うい状況。店員(イケメン)に飲みたい気分のものを相談するとプリミティーボが出てきました。連れは泡。
ブッラータ(モツァレラに似たチーズにクリームが練りこまれたような食感のフレッシュチーズ)とトマトの和え物を注文すると、そのブッラータは日本産とのこと。生産者は鎌倉の「ラッテリア・べべ・カマクラ」というチーズ工房併設のピッツェリア。
フレッシュチーズは鮮度が命なので、このご近所感は素材に圧倒的優位に働きます。トマトの凝縮感に溢れた濃密な個体であり、軽くつまむつもりがあっという間にガツガツと食べ切ってしまいました。よし今度このピッツェリア行ってみよう。
サツマイモを土台としたグラタン。サツマイモのホクホクさ加減はワールドクラスの焼き芋レベルです。グラタン部分のソースやチーズの取り扱いに勢いがあり、万人受けする味わいに仕上がっています。香辛料の使い方も思い切りが良く、腹9分目ながらもパクパクと食べ進めることができました。
〆の1杯は大学1年生が悪乗りで描いたようなエチケットです。メタメタ濃い目の1杯を例えばアリアニコのように、とリクエストしたのですが、意外にバランスの良いスイスイ飲めてしまうようなもので拍子抜けでもありました。

「お誕生日近いよね?今夜はアタシがご馳走してあげる。おめでと。いつもありがとね」にっこりと、と形容するに相応しいにっこりとした笑顔を湛えながら、彼女は手のひらを私の頬に添える。

ありがとう。それにしてもいい笑顔だ。キミのことを好きな気持ちは誰にも負けないけれど、キミの笑顔にはどうも負けてしまうな、と、照れを隠しながらの精一杯の感謝を告げると「あなた時々気持ち悪いわね」との回答でした。
「それからコレ、オマケね。お誕生日プレゼント!」手渡されたのは亀戸天神前の老舗、船橋屋のくず餅。セレクションが渋い。ちなみに船橋屋とはくず餅・あんみつ等の製造販売を行っている、文化2年(1805年)から続く東京屈指の老舗甘味処です。
ちなみに関西で「くず餅」と言えば葛を原料とするものですが、関東のそれは小麦由来の澱粉を原料としています。乳酸菌を用いて小麦粉のでんぷん質を15ヶ月発酵させ、じっくりと熟成させる。それに極上のきな粉と黒蜜をたっぷりとかけてまったりと味わう大人のスイーツ。賞味期限は2日のみという限定的な味覚。亀戸天神にお参りの際は是非どうぞ。


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十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。