イサーン料理とはタイ東北のイサーン地方の郷土料理。とは言えタイにおいて地域名を冠した料理は9割方イサーン料理なので、郷土料理でありながらタイを代表する料理とも言えるでしょう。
えびせん。タイ料理屋ではおなじみのものなのですが、当店のそれはレベルが3つも4つも上のような気がします。幼児を含む参加者全員でうめえうめえとパクつき続け、ついにはおかわりまで要求してしまいました。
ヤムウンセン。春雨(ウンセン)を、野菜やひき肉など色々な具材と和えた(ヤム)、酸味のあるサラダ。なのですが、当店は激辛仕様。こんなにもスマートな外見なのにその辛さは爆発一歩手前でした。
ソムタム。イサーン料理の代表選手であるパパイヤのサラダです。一般的にソムタムはメチャ辛なお店が多く、先のヤムウンセンですらああなのだからイワンヤ、と身構えていたのですが、食べて驚きそれほど辛くはないのです。
辛さよりも甘味が目立ち、ナッツや各種調味料の風味も相俟って、控えめに言って絶品のソムタムでした。2017年は延べ1ヶ月はタイに滞在しましたがその中でも秀逸。タケマシュラン・ベスト・ソムタム賞を贈呈したいと思います。
イサーンソーセージ。日本人が食べ慣れたソーセージに比べるとスパイスが多用されており、また、若干の酸味を感じる面白い味覚でした。
コームーヤーン。豚の喉のあぶり焼き。いわゆる豚トロ焼き。濃密な脂の香りを感じながら一口頬張ると驚くほど柔らかい。香りの通り甘味が強く、肉の旨味がジューシーに流れ出ます。つまり、とにかくビールが進む。
ラープ。火を通した挽き肉にハーブ類や野菜を混ぜあわせたサラダの一種です。いわゆるガパオごはんの肉の部分と考えて大体あってます。もちろんごはんと一緒に食べるのが吉。カオニャオというもち米を炊いたものと合わせると、いっそう美味しさが引き立ちます。
豚肉と空芯菜の炒め物でしょうか。豚肉は一度揚げられているのですが、風味が凝縮されているというよりは旨味が抜けてしまっているのが気になりました。全体として味付けが中華料理のそれであり、ちょっとベクトルが違うように感じます。
スップノーマイ。タケノコのサラダです。ソムタムのタケノコ版と考えて良いでしょう。店によって当たり外れが大きい(臭みが抜けていない場合がある)料理なのらしいですが、当店のそれは当たりです。程よい辛さに複雑性のある調味。おまけに肉を一切使用しておらずヘルシーときたもんだ。東京でも普通に食べることができればいいのにな。
ガイヤーン。イサーン料理の代表選手。 「ガイ」は鶏、「ヤーン」は焼くという意味。 一晩タレに漬け込んだ鶏肉を炭火でじっくり焼いたものです。
サバイジャイ(Sabai-jai)のガイヤーンも絶品ですが、当店のそれはより肉質に重きを置いたという印象。味付けよりも皮の旨味や身のしっとりさ加減が絶妙です。床島のモモ焼きを思い出しました。あまりに美味しくおかわりを注文したほど。
箸休めにチャーハン。いわゆる母親が適当に作るチャーハンの味であり、土曜日の昼食を想起させる。250円という価格破壊にも心和む。
〆にトムカーガイ。ココナッツミルクがベースのスープでありながら、酸味が強いという面白いスープです。具は鶏肉。トムヤムクンが攻めのスープだとすると、トムカーガイは守りのスープであり、穏やかな風味に胃腸が和らぎました。
大人5人で食べまくり、ビールも飲めなくなるまで飲んで、お会計はひとりあたり1,200円。何かの間違いじゃないかと思いたくなるほどの費用対効果です。ゲッダワー(Gedhawa)を超え、タケマシュラン・バンコク・ベスト・費用対効果で賞を贈呈します。
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