バンコクでビジネスを育む友人たちが1席設けて下さいました。プー・パッ・ポン・カリー発祥のお店。小泉元首相も訪れた由緒正しきシーフードの名店です。
かなりの大箱でツアー団体客の受け入れも行っているとのこと。17:30と早めの時間にお邪魔したにもかかわらず半分の入りと、かなりの人気を伺えます。ゴールデンタイムに入りたい場合は予約を忘れずに。
厨房のほうが騒がしいな、と思って覗いてみると、従業員同士が取っ組み合いの喧嘩を繰り広げており、仲裁に入る従業員もいれば遠くからニヤニヤと眺めているだけの店員もいたりと牧歌的な雰囲気です。
いきなり本番が始まってしまいました。プー・パッ・ポン・カリー。タイ人は食べ物を出す順序に拘りはなく、出来上がったものからドンドコドンドコ持ってきます。
味は期待通り。たっぷりのカニ肉にジューシーなタレ、甘辛い卵。わかり易い調味でありややもするとジャンキーに感じてしまう味覚です。ゆうべのソフトシェルクラブのプー・パッ・ポン・カリーも良かったですが、当店の剥き身だけを大量に供出する手法も直線的で良いですね。
それにしても、「プー・パッ・ポン・カリー」と日本人が発音する際、どうしてみんなちょっとドヤ顔なのでしょうか。「タイ語っぽい発音言い切ったぜ!」みたいな感じ?
空芯菜の炒め物。ニンニクがたっぷり、かつ、シンプルな味付け。野菜であるにも関わらず、肉のオカズ的な攻撃力をもった一皿です。
フエダイの鍋。魚を丸々一匹使っており大迫力。スープがサワー&スパイシーであり、日本では中々出遭うことのできない味覚です。付け合わせのキャベツは見掛け倒しではなく、魚とスープと共に食べるにちょうど良い意義深いものでした。
エビすり身揚げ。こちらはエビをすり潰し過ぎており、かつ、つなぎの量も多いためか、さつま揚げのよう。エビの美点であるプリプリの食感を楽しめることはできず、ブラインドで食べればエビとは気づけないかもしれません。
鶏肉のカシューナッツ炒め。シイタケがたっぷり入っているのが特徴的であり、そのひとつひとつが肉厚で美味。主題よりもシイタケが印象に残った一皿でした。
変化球ぎみのトムヤムクンばかり食べていた私をみかねてか、「これが最も一般的なトムヤンクンだ」と注文して下さったもの。大きな鍋で提供される迫力のあるものであり、酸味と辛味、甘味が渾然一体となった絶妙なバランスのスープに舌鼓。
「お前、エビ好きだろ?」と気を利かせて注文して下さいました。エビのガーリック炒め。ソーントーンのそれはクリスピーな食感でしたが、当店はしっとりと仕上げておりこれはこれで美味。大きなエビを縦に2つに割っておりエビ食べてる感が満載であり、この瞬間、私は幸せであった。
「マンゴー好きなら是非これも!」ということでカオニャオ・マムアン。英語ではMango Sticky Riceと呼び、ココナッツミルクで炊いた餅米にマンゴーを載せたタイの定番デザートです。
え!?ゴハンにココナッツミルクとマンゴー?と一瞬ドン引きしてしまいますが、よく考えればおはぎも似たようなコンセプトであり、こちらは米自体をココナッツミルクで炊いてあるため、全体として整合性があります。日本に持ち込んでもギリギリ流行らないコンセプトかもしれませんが、私は好きです。
大人4人で訪れて奇跡のジャスト5,000バーツ。この丸い数字ウソだろと思うのですが、一応明細もあるので本当なのでしょう。円換算すると4人で15,000~16,000円であり、極めてリーズナブルなディナーでした。
それほどタイタイしておらず、それでいてエビやカニなどがたっぷり安く食べることができるお店。バンコクに訪れるたびにお邪魔したいお店です。
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