チキンと何かをパリパリの皮で包んだ一口料理。アミューズながらできたてのアツアツであり期待を膨らませる料理です。
魚のすり身を揚げたもの。タイ風のさつま揚げといったところでしょうか。魚の味が濃く、それにスパイシーな味覚が加わり複雑性に溢れた揚げ物です。甘酸っぱいタレをかければよりややこしい味わいに。
トムヤムクン。こちらは辛味より酸味が主体。具沢山のスープにもち米を浸して食べるとそれだけで立派なごちそうです。
定番のクンオップウンセン(海老と春雨の蒸し物)。このお店は当たり前のタイ料理が当たり前に美味しい点が素晴らしいですね。凝縮された魚介の旨味が春雨の1本1本にまで染み渡り、春雨だけでも充分に美味しく、エビがトドメを刺してくれます。
鶏肉とカシューナッツの炒め物。中華料理では定番の料理ですが、この店の手にかかればタイ流の新たな方向性を指し示してくれます。たっぷりのハーブが食事に奥行きを持たせ、つい酒に手が伸びる一品でした。
「辛くないタイ料理には白ワインが合うんだよ」という勧めに従い口に含む。なるほどシャルドネのボリューム感に樽由来の香りが料理にピッタリ。その土地の料理にはその土地の酒を、が私のモットーだったのですが、タイには郷土酒というものがなく、もはや何でもアリといったところなのかもしれません。
鶏肉の炒め物。ガパオ風の味付けなのですが、ミンチ肉ではなく刺身ほどの大きさにスライスされた鶏肉です。これは身の中心部に味が行き渡らず、食感もパサついてしまっていたので、大人しくミンチ肉を用いたほうが良いのかもしれません。
白米ではなく海鮮チャーハンでおかずを食べるという贅沢。魚介の出汁がたっぷりと詰まったチャーハンであり、これ単体で成立する味わいなのですが、その上に好きなおかずを好きなだけというネオリベな食べ方に心酔する。
プー・パッ・ポン・カリー。タイ料理の主力選手。ぶつ切りにした蟹をカレーソースで炒めた後に卵とじにする、聞いただけで美味しそうな食べ物です。一般的には殻から身をほぐして食べるスタイルのようですが、当店のそれはソフトシェルクラブを用いており、そのままガブリとかぶりつきます。ひと口頬張るとジューシーな味覚があふれ出し、最後の最後は卵の優しさが全体をまとめ上げる。エスニック料理が苦手な方でも充分に楽しめる一皿でしょう。
店の雰囲気やサービス、味を総合すると、今回の訪タイで最も満足したお店です。タイ料理のエスプリをきかせながらも女子アナのように万人受けする味覚であり、安心してゲストをお連れできるお店でしょう。オススメです。
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