ホック・フカヒレ・レストラン(HOCK Shark Fins)/シーロム(バンコク)

「タイのフカヒレ料理は面白いぞ」と、お連れ頂きました。なるほどフカヒレとアワビのコース料理を食べて859バーツ(約2,700円)とは日本に比べると恐るべき安さ。
いきなり本番、フカヒレスープ。中華料理屋の立派なフカヒレのように形は整ってはいませんが、とにかく量はたっぷりで胸がときめきます。

スープが実に美味しく、確かに面白い。我々が想像するフカヒレスープはいわゆる中華風の味わいなのですが、当店のそれはどうにも濃厚でドロドロとしており、「天下一品」の「こってり」味に酷似しています。
エビの卵カレー炒め。タイではプーパッポンカリーという、カニの卵カレー炒めが有名ですが、こちらはそのエビ版。ゴツゴツとしたエビの塊に優しく円みのあるカレーソースが優しく包み込む。日本人であれば誰でも納得する味わいでしょう。
フカヒレとシイタケの卵炒めでしょうか。フカヒレとは後生大事に細々と食べるものである、という概念が覆された瞬間です。卵がカピカピになるまで火が通っている乱雑な調理であり、また、このような食べ方をするのも初めてなので意見差し控え。
空芯菜の炒め物。ニンニクがガンガンに効いており食欲を刺激します。久しぶりの野菜である。
〆はアワビご飯。さきの天下一品系のスープを雑炊形式で頂く。サイコロキャラメル程もあるアワビがゴロゴロと入っており、日本の気取った鮨屋で有り難がって食べていたこれまでの経験は何だったんだと嘆いてしまう。味も確かであり、本日一番のお皿です。
〆は杏仁豆腐にフルーツ。こちらはいわゆる普通のそれでした。

何ともクセになる味わい、かつ、贅沢感に浸ることのできる素晴らしいお店でした。そんなに混んでなくて予約しなくても個室に入れたのが嬉しい。これだけの贅沢な料理を3,000円を切るレンジで提供できるのは奇跡。バンコクに訪れるたびにお邪魔したいお店です。



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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
1,300円としてはものすごい情報量のムック。中国料理を系統ごとに分類し、たっぷりの写真をベースに詳しく解説。家庭向けのレシピも豊富で、理論と実戦がリーズナブルに得られる良本です。

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