コソットエスピー(Cossott'e sp)/麻布十番


LAで働くハイスペック男子が本帰国。帰国祝いならびに彼のお誕生日も近かったので、皆で集まろうという運びになりました。

「帰国してからまだ焼肉を食べていない」ということだったので、
コソット・エスピー。世田谷の人気店が十番に進出。外観および内観にセンスが溢れており、およそ焼肉屋とは思えない空間が広がります。「小学生未満」と「強い香水」は入店お断りなので気をつけましょう。
乾杯はビール。琥珀えびす生を注文したのですが、790円と焼肉屋としては驚くほど高価。白穂乃香に至っては更に高く、もはやホテルのメインバーで飲むのと大差ありません。

肉の注文は「おまかせ」で。食べるペースにあわせて色々な部位を1人1切れづつ提供するスタイルです。途中でストップをかけない限り出続けるので、食べ放題払い放題という仕組み。
名刺代わりに出てきたのは紙ほどに薄くスライスされたサーロイン。「これは焼くのに技術がいる」ということで、店員さんが調理して下さいました。
あっさりとしたタレ(ポン酢?)に肉を浸しカイワレを巻いて一口で。んごぉ、旨い。脂の優しい甘味と肉の旨味がギンギンに伝わります。長い余韻を爽やかなタレが切り、先頭打者ホームラン、本日一番のお皿でした。
彩り野菜のムンチュ。色々な野菜をにんにくダレで食します。いわゆる焼肉屋のグリーンサラダであり、特長的なところは見当たらず。
Cossott’e SPサラダ。いわゆるローストビーフサラダです。確かにローストビーフは旨いものの、やはり近所のナニワヤと比べてしまう。
タン塩。私は焼肉においてタンこそが枢要だと捉えているきらいがあり楽しみにしていたのですが、その期待を裏切らず実に美味しかった。昨今は分厚いだけの品の無いタンなどが市場を席巻しておりますが、当店のそれは食べ手のことをきちんと考えて、ちょうど良い頃合のカットです。
肉の名前は失念。カキクケコ行だったと思います。こちらは脂主体であり胸が使える味覚。それほどタイプではありません。
ビールやハイボールに比べるとワインの絶対価格が安い。値付けが結構バランバランで、酒屋の倍程度のボトルもあれば5倍を超えるモノがあったりと、客の審美眼が試されます。

酒が入ると火がついたように話始める集団。身体も声もデカいので店員から注意されました。ほんとすみませんこのバカタレ共のせいです私のせいではありません。きちんと客をコントロールしようというお店の姿勢に好感が持てます。
キムチの盛り合わせにナムルの盛り合わせ。成城石井のそれと大差ない一般的なものです。
トウガラシ。 言わずと知れた希少部位。赤身の旨味が感じられ、これは生でユッケとして食べたかったなあ。
サガリ(だっけ?)。こちらも希少部位でありベクトルとしてはハラミ。希少部位であるため価格はお高いのでしょうが、それなら普通のハラミでいいかも。ああ、一番館の「まんぷくハラミランチ」が食べたくなってきた。
徐々にワインの濃度を高めていきます。「懐かしい!」と火が付いたようにワインについて語り始める紳士淑女。そう、本日の参加者は皆カリフォルニアに住んでいたことがあり、あのあたりのワインなどそれこそ水のように飲んでいたのです。
シャトーブリアン。ヒレ肉の美味しい部分です。こちらも焼き加減が難しいとのことで店員さんに調理をお任せ。
非常に説得力のある概観。食べずとも美味しいことぐらいわかります。一口食すとちょっと想像と違い、思いのほか脂が多かった。しかしながら全体としてみればなるほどと納得せざるを得ない味覚です。
ミスジ(でしたっけ?)。こちらは見た目の通り脂が強烈で、30代半ばのオジサンにとっては内臓に負担がかかる。
ワインの濃度を更に上げる。
そろそろ腹も膨れてきたので肉をストップ。有終の美を飾るのはリブロース(だっけ?)スミマセンなんだか肉についてのあやふやな情報が続いて。私、焼肉については完全に素人なのです。
〆のごはんものはネギとタンの櫃まぶし。柔らかく煮込まれたタンをほぐしながら混ぜ込み、醤油ベースの甘辛いタレで仕上げます。
そのまま食べても当然に美味しいのですが、出汁を加えたお茶漬けにすると美味しさ倍増。心に残った1杯でした。
さて本題。お誕生日祝いの瞬間なのですが、バースデープレートなどのご用意がないとのことだったので、ケーキを持ち込ませて頂きました。
狸穴町の隠れた名店、トレ・スパーデのミラノプリンをお誕生日仕様にして頂きました。焼肉後にチョコやスポンジがたっぷりのケーキは辛かろうという、私の粋な計らいです。

卵・生クリーム・カラメルを用いた濃厚でクリーミーなプリン。いわゆるプリンというよりも粘度が高くもったりとした食感。ややもするとレアチーズケーキのようなテクスチャーかもしれません。素材の味が濃く、原材料が何であるかすぐにわかるような素直な味わいです。派手さはありませんが、圧倒的に美味しい。そんなスイーツです。
お会計は5人で6.5万円。ううむ、ちょっと高いなあ。焼肉好きであれば稀少部位に溢れたお店であるため価値が大いにあると思うのですが、この価格帯だと私の中ではフランス料理との闘いになってくるので、そういう意味で割高感が否めません。

雰囲気やサービスは良いので、使い道はときとばでしょうね。若い女の子がオジサンに連れて行ってもらって好きなだけ食べるというシチュエーションには最適。私のような自重家には向かず、コンセプトは似ているもののもう少し安いブルズでいいかな、と思ってしまった夜でした。


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麻布十番は隠れた焼肉激戦区。突出したお店は無い一方で、優等生が多い印象です。
  • 焼肉 おくむら ←ランチでは都内トップクラスの費用対効果。ハラミが旨いんだ。
  • 焼肉苑 ←十番いや日本全体で見たとしてもお得なランチ。
  • みやび ←ランチがお得。スープのおかわり無料がバッチグー。
  • ブルズ ←半個室なのでのんびりできる。
  • 山本牛臓 ←サムギョプサルが良い。レタスとエゴマはお代わり無料♪
  • おんがね十番 ←ランチだとオイキムチとカクテキが食べ放題♪
  • 鳳仙花 ←老舗の超有名店。
  • 純豆腐 田舎家 ←店員含め本格派。
  • 三幸園 ←ランチの焼肉丼が特徴的。
  • 新鮮ホルモン ランボー ←味と量と価格のバランスは十番焼肉業界でトップ
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。