■ボーイングエベレット工場/エベレット
ボーイングの工場見学に行きたいんだけど、街から遠くて足が無いんだよなあ、とひとりごちると、「あ、友達がシアトルに住んでるから、連れてってもらえるか聞いてみるね」と謎の人脈を展開する妻。そういえば彼女は長谷川潤のダウンサイジングであったことを思い出す。
「ハーイ!久しぶり!」と、本当にホテルの車寄せまで迎えに来てくれました。「シアトルへようこそ!コーヒー飲んで!」と、スタバをごちそうして下さるという神対応。彼女はハワイ生まれのハワイ育ちではありますが、お父様がマイクロソフトに転職したため、一家そろってシアトルに移住し、現在に至るとのこと。
シアトルのダウンタウンから車で小一時間、シアトル郊外のエベレットという地にあるボーイングの工場に到着。工場といいつつも、その敷地面積はカリフォルニアのディズニーランドよりも広いそうです。
工場見学費用はひとり25ドル。30分おきに100人ほどが参加する大人気のツアー。9時前の時点で「当日券は13:00の回以降」と張り紙がされており、きちんとネット予約していったほうが良さそうです。
簡単な紹介ビデオを見た後は90分の工場見学。カメラやスマホはおろか、サイフやサングラスまで持ち込み不可という徹底ぶり。したがって、ここから先は写真がありません。
747、777、787と、3つの組み立てラインを見学しました。組み立てラインと言ってもあまりに巨大であり(建築物としては容積世界最大!)、工場の出入り口のドアですらフットサルコートぐらいの大きさがあります。生産ラインのひとつひとつがあまりに大きいので、相対的に作業員が小さく少なく見え、思いの外ひっそりとした工場に感じてしまいました。787のラインではまさにJAL向けのそれが生産されており、組み立ても終盤で出荷も間近という現実に興奮を感じます。
ツアーの後は公式グッズショップや展示場を自由に巡り、「ごめんね、旦那と交代で子供の面倒みてるから、そろそろ帰らなくちゃ」とホテルまで送り届けてくれました。このお礼はいずれ精神的に。
■クラブポット(The Crab Pot)/ウォーターフロント(シアトル)
シアトル名物と言えば海産物!。せっかくなのでシアトル屈指の人気店へ。詳細は別記事にて。
■Musium of Pop/シアトルセンター(シアトル)
食後にLyftを呼び出しEMP博物館へ。「EMP?モーポップのことね!つい最近呼び方が変わって、MOPOP(Musium of Pop)って呼ばれるようになったんだよ」
マイクロソフト社の共同創業者ポール・アレン氏が設立したロックの殿堂として有名な施設ですが、実際はロックに限らずポップカルチャー、もっと言えば彼の趣味の博物館です。したがって、とりとめのない展示セレクションであり、何が主題なのがはっきりしません。
3階のサウンドラボでは自由に楽器を演奏したり歌ったりできるのが楽しいですが、そうだとしても入場料28ドルは割高に感じました。
■スペースニードル(Space Needle)/シアトルセンター(シアトル)
シアトルのランドマーク。タワー上部に円盤が取り付けられた奇抜な設計です。高さは184メートルとそれほど高くなく、景観が自慢の街というわけでもないので、外観のみを撮影し今回は入場せず。
■パイク・プレイス・マーケット(Pike Place Market)/ダウンタウン(シアトル)
シアトルで最も人気のある観光地。1907年創設と、アメリカにおける公設市場のパイオニア的存在。海産物・畜産物・野菜はもちろん、パンやチーズ、工芸品の露店が軒を連ね、いつだって観光客で大混雑。
その中でひときわ賑わうのが中央入口すぐにあるPike Place Fish Marketという魚屋。「シャケ1本注文入りました!」「ウェイ!シャケ1本!!」という、ホストクラブのドンペリ入りました的威勢のよい掛け声とともに、陳列物をレジにぶん投げるというパフォーマンスが自慢(写真で灰色にブレているのが宙を舞うシャケ)。ただし個人的には食べ物を手荒に扱う姿勢は承服しかねる。
そうそう、入り口近くの交差点の角にはスタバの1号店があります。いつもの緑のロゴマークではなく、創業時の茶色のロゴマークが新鮮。なぜか軒先に「I Need A Fat Bitch」という看板を掲げた浮浪者が寝転がっており、道行くふくよかな女性に言葉にならない言葉をかけ、その連れの男性が実に複雑な表情を浮かべていたのが印象的でした。
■ビーチャーズ・ハンドメイド・チーズ(Beecher's Handmade Cheese)/ダウンタウン(シアトル)
https://tabelog.com/america/A5905/A590509/59000137/
パイク・プレイス・マーケット向かいにある手作りチーズ工房。ガラス越しにチーズの製造過程を覗き見ることができて楽しいです。チーズの販売はもちろん、食べ歩き用のマカロニチーズやパイなども売られています。味はまあ普通ですが、話の種にはなるでしょう。
■Starbucks Reserve Roastery & Tasting Room/ダウンタウン(シアトル)
先の1号店は1号店ではあるものの特殊な何かが提供されているわけではないので、15分ほど歩いてリゼルブというスタバの高級ブランド店へ。スタバがトヨタだとすると、当店はレクサス的な位置づけ。芸術的な空間でまことに美味しいコーヒーをリーズナブルに比較試飲でき大満足。詳細は別記事にて。
■セーフコ・フィールド(SAFECO Field)/インターナショナルディスクリクト(シアトル)
ノリで野球を観に行くことに。イチロー、佐々木、長谷川、岩隈、青木、任天堂で有名なシアトル・マリナーズです。
ちなみにシアトル・マリナーズが経営危機に陥り遠くへの移転が検討された際に、オーナーとなってシアトルに留まらせたのが任天堂であるため、任天堂ならびに3代目社長山内さんは今も地元の人に感謝されているらしいです。
アメリカ人はあれやこれやと真剣に批評しながら誠実にプレーを見ていますね。見逃し三振などつまらない結果については味方であろうとお構いなしにブーイング。ファインプレーに対しては敵味方関係なく惜しみなく賛辞を送る。野球観戦の本質を垣間見ました。
また、日本に比べて酒を飲む観客が少なく、その代わりにクラムチャウダーだのナチョスだのポップコーンだのを延々に食べ続けている客がほとんどです。「エンタテインメントにはジャンクフードがつきもの」というDNAはアメリカ人特有のものなのかもしれません。
6回裏の時点で4点のリードであり、「今日はもう勝ち決定だな、お疲れさん」という雰囲気で観客がゾロゾロと帰り始めるのが興味深い。日本人が野球観戦をする上で最も重きを置くのはゲームセットの瞬間だと思うのですが、アメリカ人の野球観戦における価値観がわからなくなりました。
その後、結局4点差をひっくり返され9回に逆転負けという地獄のような結末で試合を終えたのですが、6回裏で帰宅したマリナーズファンは一体どのようなテンションでスポーツニュースを見ることになるのでしょうか。
「不都合な真実に脅えてアラスカへ」シリーズ目次
- <1日目>~シアトル~
- <2日目>~3代目社長山内さんが愛される理由~
- <3~4日目>~メキシコ人ゲストが少ない本当の理由~
- <5日目>~ヘリコプターでメンデンホール氷河遊覧~
- <6日目>~想像を絶する犬ぞり体験~
- <7日目>~グッチ社会主義者な氷河~
- <8日目>~乗船150回目1,600泊の老夫婦~
- <9日目>~カボタージュを奇貨として~
- <10日目>~城島健司の心を掴んだスーパー~
- <11日目>~女子供は近寄らないほうが良いスラム街~
- <12~13日目>~ポートランドってそんなにいいですか?~
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