采(サイ)/三軒茶屋

恐らく三軒茶屋で最も混雑している立ち飲み屋でしょう。采(サイ)。日本酒の名店です。
この日は豪雨かつシャッターと同時入店であったため、すぐに滑り込むことができました。それでも30分もすれば殆どの席が埋まり、人気のほどが伺えます。
乾杯は中ビンをふたりで分け合う。そういやキミって誰かに似てるよね?と今夜の飲み友達に訊ねると、
「うーん、昔は安西ひろこに似てるってよく言われたかなあ」超懐かしい。問われてパっと出てくるということは、当時はよほど言われたのでしょう。
お通しはおかゆ。いきなり腹に溜まるモノを持ってくるのが面白い。これで内臓をガードしておけという意図でしょうか。
ツブガイのしょうゆ漬け。これが絶品。ひとつぶひとつぶが中々に大きく歯ごたえがバッチリ。品の良い味付けも相俟って、日本酒の親友となり得ます。
当店の日本酒は全て1杯500円という明朗会計。グラスのサイズは大きくは無いのですが、それでも珍重され気味のものまで500円で提供するという気前の良さは尊敬に値します。
ナスの揚げ浸しもグッド。こういう料理は自分で作るのが面倒なので、お店で食べるに限ります。
サンマの刺身。期待通りの味わい。サンマって本当に美味しい魚ですよね。目をつぶって食べたら絶対にウナギより美味しいと思う。それでいて値段は5~10分の1。素晴らしい食材です。
安西ひろこ、すごく好きだったよ。ギャルモデルになる前、僕が中学生か高校生の頃かなあ、グラビアやってたんだよね。あまりに好きすぎてお小遣いを貯めて写真集買ったぐらいだもん。当時はネットとか無いから気軽に画像とか手に入れることができなくてさ、と青春時代を思い出す。「つまり、あたしの顔も好きってことね」と、肘を私の肩に置き顔を近づけるひろこかわいい。
鶏ムネ肉の葱ソース和え。200gはあろうかとの特大ポーションに、これまたたっぷりのネギ。鶏肉は鶏ハムのような風味であり、肉の繊維一本一本にまで味が太い。これだけのツマミが500円かそこらで食べることができるとは。
この後、機嫌を良くした私は、連れのアクセサリを遊びで耳につけてもらったりしてキャッキャウフフしていたので、割とウザい客だったかもしれませんスミマセン。
焼き豚とキャベツを思い切り黒コショウで和えた一品。豚肉に塗布されたタレに脂の旨味、コショウの爽快感、キャベツの甘味。全てが調和した味覚であり行列のできるラーメン屋のそれと同等かそれ以上のクオリティです。
これだけ飲んで食べてふたりで6,000円弱。奇跡かよ。お近くの赤鬼であればゆうに10,000円を超えていることでしょう。

「おひとりさまでの来店限定」のおつまみ盛もあり、近所にあれば毎日通ってしまいそうな素晴らしいお店です。十番に欲しいなあ。こういうお店が私が最も渇望する、結論とも言うべき飲食店だと思います。


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私はヒールからスニーカーまでイケるクチです。三ツ星店もいいけど、場末の飲み屋街も魅力的。
おひとり様大歓迎の名酒場100軒を掲載。ひとり客の割合・男女比・ビールの値段などを「酔い処早見表」として整理されており読み易いです。紙媒体だと1,000円近くする本が、Kindleだとたった500円でお買い得!