氷河見学で冷え切った身体を温めるために、まずはクラムチャウダー。ホライゾンコートで提供しているものと恐らくは同じものですが、温かい食器に気取った量を注ぎ、堂に入ったサービスに基づけばそれなりの料理に感じてしまいます。
魅力的なメインが2つあったため、両方を注文することに。このような自由度がクルーズ旅行の醍醐味ですね。まずはフィッシュ・タコ。耳慣れない料理ですが、恐らくタコスの肉の代わりが魚なのでしょう。
一般的なコーンのトルティーヤの上に、ドレッシングまみれの千切りキャベツが乗り、トドメに250グラムほどの白身魚が置かれます。
残念ながらこの魚はイマイチでした。味付けが皆無に等しく、素材本来の味で勝負するには品質が伴っておらず、結果として食べごたえしかありませんでした。まあ、耳慣れない料理とはそういうものである。
2つ目のメインはベナレス・スタイルのラムカレー。ベナレス・スタイルの定義は存じ上げませんが、いわゆるカレーというよりは、ラムの切り身に濃厚なカレー風味のソースがかけられている一皿でした。バスマティライスが美味しそう。およそ1週間ぶりの米です。
食べる前にトッピング。担当のウェイターが「ここは俺に任せろ」と言わんばかりに仕切り始め、我々が口を挟む余地は無かったのですが、妙に手慣れた様子から胸元のバッチを盗み見ると、出身地はインドとのことでした。
おお、これは旨い!シェアで食べたような濃厚なラムに、ビシリと姿勢を正させるスパイスの量。ライスの香りも中々に高く、色とりどりのトッピングは甘さや辛さ、塩味に複雑性を付与し、思わずガツガツと食いついてしまいそうな中毒性のある料理です。ぱしふぃっくびいなすの凡庸なカレーとは月とスッポン。これまで船上で食べたカレーの中ではダントツで1トップ、西新宿のコチンニヴァースに比肩し東京でも充分勝負できそうなほどの味覚でした。
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