クチーナ イタリアーナ エンネ/三軒茶屋


「ちょっと駅から遠いんだけど、イイお店があるから」と、自信を持ってお連れ頂きました。enne。若林交差点近く世田谷通り沿いのお店です。
雨の強い夜だったため我々以外のゲストはおらず。「ここ、いっつも空いてるんだよね。味は確かなのに、何でだろ」飲食ビジネスは難しい。
1軒目で日本酒をたらふく飲んできたので、ふたりで泡1本勝負。花の香りの華やかさが印象的なロゼでした。
生ハム、イチヂク、ブラッティーナ。出された直後はこんもりとした盛り付けですが、
バラすと迫力があります。生ハムの塩気と旨味、イチヂクの甘味、チーズのコクが3味一体。バランスのよい味覚であり前菜として素晴らしい。

ちなみにブラッティーナとはブッラータのチビっ子版であり、ブッラータとはモッツァレラチーズにクリームが練りこまれたような食感のフレッシュチーズです。
自家製のグリッシーニにフォカッチャ。いずれも塩気と旨味に溢れ、迫力のある小麦粉です。自家製のグリッシーニって初めて食べた。手が込んでるなあ。
あわび茸の香草バター焼きに燻製したスカモルツァを添えて。あわび茸の豪快な歯ごたえ意に思い切りの良いハーブならびにバター使い。当店は味付けがわかり易いのがいいですね。スカモルツァ(キュムキュムした食感の硬いモッツァレッラチーズみたいなやつ)の薫香も食欲を刺激し、ひろこに「あたし、幸せだ」と言わしめた逸品です。

そう、飲食ビジネスは難しくはっきり言って儲からないのですが、目の前の人を感動させ幸せにするという、筆舌に尽くし難い魅力にも溢れているのです。
パスタは自家製のピィチ。プリンチピオですっかりピィチの虜になってしまった私は、いくつかある自家製麺の中から秒速でコチラを選択。小麦粉と水だけから作られる、丸くこねた太麺パスタです。讃岐うどんのようにコシがあり食べ応え抜群。

肉の猛々しさにホックリとした栗の食感が優しい。こちらも潔さの味付けであり直球勝負でとても美味しかった。
素晴らしいお店でした。本場イタリアの風を感じさせるメニュー構成とその量、味付け。普段使いのイタメシ屋としては最高峰にオススメできるお店です。次回はおなかを空かせてもっと皿数を食べようと決意。オススメです。
ちなみに、通り道にある「小麦と酵母 濱田家 三軒茶屋本店本店」という和をテーマにした地域密着型のベーカリーもオススメです。和風の惣菜パンが多く、面白い商品構成です。
豆パン、黒千石豆パン、カレーパンを購入。いずれも小麦の味がタフなパンであり、ゴロゴロとした具材と相俟って、食べ応えのあるものでした。


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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。