ダビンチ(Da Vinci )/ルビープリンセス(Ruby Princess)

プリンセス・クルーズ社のレストランに訪れるのは5年ぶり。その間に様々なクルーズ船のレストランにお邪魔してきましたが、乗る度に「プリンセスのは良かったなあ」と感慨にふけることが多かったので、満を持しての登板です。
通常利用であれば予約を要したり行列に並んだりする必要がありますが、クラブハウス客は同じレストランながらも専用ゾーンが用意されているので、待ち時間はありません。
初日のディナーだったので、色々な偉い人が入れ替わり立ち代わり挨拶に来てくださいました。我々を担当するウェイターも感じの良い方で、食べる前から満足してしまいます。
昔からあるメニューが変わらずオンリストされていることに目を細めながら、日替わり限定メニューから3つの料理を選択。妻は食欲が無かったため全てアペタイザー系で揃えた所、ウェイターから死ぬほど心配されていたのが何だか可笑しかった。
前菜は野生のサーモンの燻製。一口食べて思わず目を丸くする。美味しい。サーモンそのものの品質はもとより絶妙な燻製加減とその香り、マスタードなどの細部に至るまで全てがちょうど良い旨さです。レストラン吾妻で食べたタラの燻製も絶品でしたが、当店のコチラはそれに勝るとも劣らない。あまりに旨すぎておかわりまでしてしまいました。このような自由度がプリンセス・クルーズの美点です。
アーティチョークのビスクも中々のレベル。液状化したアーティチョークの存在感が抜群。濃度が高くドロドロとした食感も好印象です。

ところでプリンセス・クルーズにおけるオペレーション能力はやはり高い。スタッフは皆テキパキと動き常に笑顔を絶やさずおもてなしの心もたっぷり。テーブルウォッチングも入念であり、来て欲しいときにはそこに居るという、篠塚和典(背番号6)の守備のようなサービスです。
メインはアラスカのタラ。こちらは不味くはありませんが美味しくもありませんでした。たっぷりのレンズ豆は悪くない味わいで一粒余さず食べきりました。
デザートはブリとゴーダの盛り合わせ。いずれも標準的な味わい。次回は「ブリのみください」って言ってみようっと。
妻はフラワーレス(小麦粉抜き)のチョコレートケーキを興味本位で注文。小麦粉なしでどうやって作るのん?と店員に訊ねても「アイム・ノット・シュアー」とのことでした。一口頂きましたが、確かに小麦粉レスかもしれませんがその代わりに死ぬほど砂糖が入っており頭が痛くなるほど甘い。これは小麦粉入りの普通のチョコケーキのほうが身体に良いのではないかと疑問が残った一口でした。

とは言え総体として船内食としてはかなりのレベルです。最近の船旅においては食事酷さに苦言を呈してばかりおり、プリンセス・クルーズに思いを馳せておりましたが、それは昔の思い出が美化されていたというわけではなく、5年の歳月を経た今でも記憶通りの味ならびにサービスでした。


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