【プリンセス・クルーズ社はやはり良い】
プリンセス・クルーズ社の船に乗るのは3度目5年ぶりであり、その間に数多ある船会社に浮気してきましたが、プリンセス・クルーズ社の良さを再認識した旅でした。
ダイニングにおいてはアメリカのそこらへんのレストランよりも余程レベルの高い料理を提供し、サービス能力も極めて高い。従業員全体にホスピタリティの精神が溢れており、自称おもてなしの達人である日本人であっても見習うべき点は多いです。
興味深いのはフィリピン人従業員をマッチドペアした比較。飛鳥Ⅱにおいては見るに耐えない従業員格差から末端の労働者は失った機械にしか見えず、ぱしふぃっくびいなすについては、気は良いもののドン臭い奴らばかり。ところがプリンセス・クルーズ社においては皆、活き活きと働き、動きも俊敏なのです。彼らの対応にストレスを感じることは一度もありませんでした。やはり従業員教育は極めて重要であると再認識。
【アラスカは難しい】
悪天候によりヘリコプターに乗れず氷河上陸は断念。その影響で犬ぞりには乗れず、水上飛行機でのフィヨルド遊覧も催行不能と、今回はアラスカの目玉とも言えるアクティビティを全く楽しむことができませんでした。
アラスカはアメリカ人にとって大変人気のある旅行先ではありますが、天候すなわち運に大きく左右されることを考えると、極東の我々が赴くには中々にハードルの高い地域です。
船旅初心者の方はいきなりアラスカなど、神のご加護を期待しなければならない地を選定するのではなく、まずは気候の安定した夏の地中海やエーゲ海・ハワイ・カリブ海・LA近海あたりから着手することを強くオススメします。
【ポートランドってそんなにいいですか?】
これはちょっと気を悪くする方もいらっしゃるかもしれないのですが、正直な気持ちを綴ると、私はポートランドに対して魅力を感じることはありませんでした。
Keep Weirdがスローガンのポートランド。「ヘンテコでいようぜ」ぐらいの意味合いでしょうが、その「ヘンテコ」は「クリエイティブ」という意味ではなく「だらしがない」ように私の目には映ります。
何というか、全体的にコ汚いんですよね。確かに街行く人々の髪の色がピンクだったり緑だったり、眉毛が無かったり、男でもメイクしていたりと、「ヘンテコ」な人は多いのですが、ややもするとだらしのない服装であったり不潔であったり突然叫び出したりと、不快感を覚える瞬間が極めて多い都市でした。
言い換えると、一般人とホームレスの境界線が極めて曖昧。ホームレスはホームレスでケータイを持っていたりペットを飼っていたりと、何が正解なのか判断を下し辛い街。そういう意味で、自分が浮浪者となる場合はポートランド移住したいと思います。
同じアメリカに目を向けると、NYやLA、ハワイなどにもホームレスは多いのですが、それらの街は一般人とホームレスの線引きがハッキリとしており、居住エリアも明確に分離されています。しかしながらポートランドはホームレスおよびその予備軍が街中に溶け込んでおり、旅行中は常に様々なセンサーを働かせておく必要があり非常に疲れました。
もちろんホームレスは好き好んでそうなっていると限らず自己責任とは言い切れない点が多く、議論の余地が大いにあるのは百も承知です。しかし、いち旅行者として、常に饐えた臭いをガマンし、突然の言いがかりに立ち向かう必要がある街というのは、育ちの良い私にとっては大いなるストレスです。
「全米の住みたい街ナンバーワン」などと喧伝されることが多いポートランドですが、何を根拠としているのか情報が欲しいです。LA、サンディエゴ、ハワイあたりのほうが私はよっぽど住みたいと思うのだけれど。まあそれは東京においても港区や渋谷区、中央区、目黒区を差し置いて、何故か武蔵小金井市や吉祥寺が1位だったりするので、この手のランキングは案外そんなものなのかもしれません。
「緑豊かな街」「自転車の街」という評価も疑問。公共の緑という観点であれば断然にヴィクトリアのほうがレベルは上だし、自転車であれば圧倒的にコペンハーゲンでしょう。
がっかりした時は相手を責めるのではなく期待しすぎた自分を責めるべきなのでしょう。私が日本のメディアに踊らされて、期待しすぎただけかもしれません。「ポートランドがクール!」と言うことがクール、という風潮。いい歳をした大人がわざわざ出かける街ではないし、ましてや家族で訪れる場所では無いと感じました。自分探しの旅に出るアラサーバックパッカーには向いてるかなあ。ポートランドを愛する方にはゴメンナサイ。行く先々で粗捜しばかりするという暗い趣味を持つ個人の感想でした。
「不都合な真実に脅えてアラスカへ」シリーズ目次