しゅしがらんす、と読みます。オーギャマン・ド・トキオの跡地。キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレの2階です。大好きなお店なのですが、気がついたら1年近く間が空いていました。それでも怪しげな空気感と個性的なスタッフの面々はそのままで一安心。
夏の暑い日の2軒目だったので、しおらしくハウスワインのカラフェでスタート。
「ねえ、この前、友達がキミの奥様に会ったって言ってた。すっごい可愛いらしいじゃん」ふうん 、という表情。ぞっとするほどの笑みである。
お通しはおなじみの小桃に野菜をゴニョゴニョしたやつを期待したのですが、今回はシンプルなポテトサラダでした。もちろん美味しいのですが、手の込んだものを期待していただけにちょっぴり残念。
「キミ、ダイビングで焼けたね。真っ黒。セラミック松村まであと一歩」自分的には日々少しづつ焼けてるので気づきにくいものですが、やはり間を空けて会う人にはガングロに見られる今日このごろ。
「よくそんなしょっちゅう旅行いけるよね」私は国内線の移動全てをマイルで賄っているため、旅行に対するハードルが物凄く低いのです。クレジットカードで飲み食いしているだけで飛行機がタダで乗れるとは不思議な世の中である。「あたしは50万マイルぐらい貯まってるんだけど、どうやって使っていいかわかんないの」マイル長者がここにも。
フライドチキン。これが絶品。KFCのスパイシーチキンを2倍複雑にして、もう2倍ややこしくしたような味わいです。揚げたてアツアツでこの瞬間の高揚感は絶大。ジャガイモを薄くスライスして揚げた自家製チップスも傑作。
このような味覚にはビールしかそぐわない。ピリカラのチキンと共にビールを飲み下す幸せと言ったらない。
「そうそう、カレシと別れちゃった」ああ、あの、LINEを返信しないだけで不機嫌になる人?「そう。こっちだって何とか頑張れないかってしおらしくしてたんだけど、もう限界。家族からも猛反対されてたから丁度良かったんだけど」
チキンカレー。ショータイムの始まりだ。当店のカレーは並の専門店のレベルを遥かに凌駕します。とにかくスパイス使いが込み入っており、口に運ぶたびに多彩な味わいが広がります。
その元カレはまだまだだね。キミはたまたま女に生まれただけであって、その核心は30を過ぎたオッサンなのにね。何も知らない男たちは、キミの美貌にうっかり騙されて、まさかオッサンと付き合っているとは思いもしないんだよ。オッサンと付き合ってるんだって思えば全て辻褄が合うのにね。
麻婆麺。暴力的なほどのパクチーと山椒。先のフライドチキンやカレーを超越する数々の辛味。もう満腹なはずなのに、ついついダストシュートのように口に放り込んでしまいます。
「あたし、オッサンか。とてもとてもわかりやすいけど、心外だわ。帰りましょう」あれ、なんか悪いこと言ったっけ?ヒューストン、問題が発生した。作戦は中止する。繰り返す、作戦は中止する。
真夜中の炭水化物ほど旨いものは無い。麺を食べきった後は、残ったタレと肉にゴハンを混ぜ込んで下さいます。これが旨いのなんのって。
もしかして怒らせちゃった?そんなつもりは無かったんだけど、と言い訳をすると「ううん、ゆうべ(?)は朝の5時まで飲んでたから眠くって。3時過ぎてからのすしざんまいとカラオケは身体に堪えるわ。昼はうな重で精力つけてきたけど、もう限界」ほらやっぱりオッサンじゃないか。
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白金高輪は粒揃いの佳店が多いです。ちょっと不便な立地も良いんでしょうね、若い子たちを寄せ付けることが無くて。
- 酒肆ガランス ←前回の記事が大反響。
- キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレ ←2016年上半期に最も衝撃を受けた店。
- ロッツォシチリア ←客のレベルが高い。味は確かでサービスも軽快。
- タランテッラ ダ ルイジ ←ピッツァだけでなく他の料理も素晴らしい。
- アルシミスト ←あんなブーダン初めて見た!
- ラ クープ ドール ←手堅いフレンチ。酒安し。
- コートドール ←ギョっとするほど古典的。
- 金竜山 ←言わずと知れた日本焼肉界の最高峰。
- 鈴木屋 ←オチ?ネタ?いえいえB級グルメも旨いんです。