とりせい、と読みます。ひとりなんですけど、と恐る恐る電話すると極めて感じの良い受け答え。当日予約でも無事受け入れてくれることになりました。
”新鮮な素材は金なり”をモットーに、朝びきの若鳥を当日串打ちする老舗。創業は1980年と、私の人生よりも歴史があります。
「鳥・一品コース」を注文。お通しに串8本に加え、鳥刺・しもふり・唐揚げ・おでんから1品選ぶことができます。
飲み物は大ジョッキ。錦(銀座みたいな街)のど真ん中でこの価格はお買い得。
お通しは鳥皮ポン酢でしょうか。シンプルな造作であり居酒屋のそれと大差ありません。
キャベツはソースが甘ったるい。個人的には「亀」系列のように塩でサッパリが好みです。
紫蘇巻焼。これは美味しいですねえ。
新鮮な鶏肉への火入れが絶妙であり、ほのかなピンク色がとにかく滑らか。紫蘇の風味も気品に溢れ、先頭打者ホームランです。
から揚げはピンポン玉サイズが5個。揚げたてて当然に美味しいですが、定食屋のそれと同等と言えば同等か。
ネギマは中くらい。特に瑞々しいというわけでもなく、平板なネギマでした。
ネギ。先にネギマを出しているのだから、リピートする必要は無いのにな。いくらネギマシュランと言えどもやりすぎ感は否めない。
かしわは辛タレ。普通です。
追加アラカルトでつくねを注文。粒子が細かく滑らかなタイプ。ナンコツのコリコリもなく、味気なく感じました。これで370円は高いなあ。
手羽先という食材自体は好きなのですが、串焼きで食べるのは中くらいです。はっきり言って食べづらい。しかしこれは、世界で最も予約の取りづらい焼鳥屋である鳥かどでも同じ感想であったため、当店に罪はなく、単に私の好みの問題です。
野菜サラダはご愛嬌。ひとくちで食べ終わる。メニューに堂々と書くと誤認するので、黙ってサービスとして出して欲しいところです。
ししとうは貧相。印象なし。
うずらはカッチカチに火が通っており、卵黄の長所を引き出せていませんでした。
ささみ梅焼。先頭打者の紫蘇巻焼と同様に好みの火入れなのですが、大葉が干からびていた点と、梅ソースが既製品のように平板な味わいなのが残念賞。シンプルで梅肉を添えるだけで充分でしょう。
スープは鳥の滋味が溶け込み美味。液体だけでなく、具が入っているところも嬉しいです。
これだけ食べて6,000円弱。優秀ですねえ。食べログに10%オフクーポンが掲載されているので(記事最下部にリンク)、是非活用しましょう。
飛びぬけて美味しい焼鳥というわけではありませんが、多幸感はたっぷりと得ることができます。気の置けない仲間と腹いっぱい焼鳥を食べたい場合にうってつけ。個人的にはレバーや砂肝、ハツ、ぼんぢり、ちょうちんあたりに出遭えなかったのが不完全燃焼。次回はアラカルトで好き放題注文したいと思います。
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