観光列車ろくもん/軽井沢

「ろくもん」は、しなの鉄道が軽井沢駅 - 長野駅間を運行している観光列車。列車そのものが豪華レストランとなっており、車窓からの風景を愛でながら、地元有名店の特別料理に舌鼓を打つという遊び。人気である一方で電話予約しか受け付けておらず、予約開始日にマウイ島沖のクルーズ船上から電話した私は偉い。
男4人での利用だったのですが少しイメージと違う。廊下を挟んで2人席を2つ用意してあるだけであり、その間にも謎の障子が会話を隔てます。スタッフにこの障子を外して良いかと懇願しても返事はNO。それなら予約の時点でヒトコト言って欲しかった。
プランに含まれる飲み物はビール2本かグラスワイン・日本酒・シードルが1杯です。乾杯の泡を兼ねてビールを注文。
料理は小布施の超有名料亭「鈴花」がプロデュース。「あ、この店、僕が結婚するときに両家の顔合わせをした店だ」と長野在住の長野くん。
確かに料理ひとつひとつは悪くないのですが、いくらキレイに盛り付けたところで弁当感は拭えません。
せっかくなので小布施の白ワインもボトルでオーダー。酸が強い割に飲み易い。飲食店で飲んで3,600円はリーズナブル。
鮎のつゆ蒸し煮。出汁の旨さにオっと驚く。列車内の食事でこれだけ美味しければ言うことはありません。一方で、鮎に火が通り過ぎているきらいがあり、やはり限られた厨房での料理には限界があります。
野沢温泉村産のコシヒカリ。炊き加減はバッチリであり、米そのものも美味しい。欲を言えばもう少し量を。
点てたばかりのお茶と菓子。流れ行く山々の緑を眺めながらの薄茶とは風流の極み。

しかしながらこれで基本料金14,800円+ワイン代はさすがに高杉晋作です。感覚的には8,800円ぐらいが妥当。これなら同じ料金を払って「鈴花」そのものに行けば良かったかなあ。

値段の絶対値だけを比べるとナパのワイントレインのほうが高いですが、あちらのほうがコンセプトがはっきりとしており、エンタテインメントとして確立しています。当列車も「信州プレミアムワインプラン」が用意されてはいますが、葡萄畑は1ミリも見えないので、どうも目的が単一性を欠いている。やはりナパのワイントレインとは全く別物と捉えたほうが良いでしょう。


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