その「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」のオールデイダイニングである「OASIS GARDEN」。イタリア料理が中心のレストランです。
天井が高く開放的な店内。キャップをかぶった外人がひとりで食事をしていたり、子供連れがいたりとかなりカジュアルです。あまりデートという雰囲気ではないでしょう。
全面が窓ガラスであり眺望が抜群。国会議事堂や東京タワー、スカイツリーなど、席によって様々に東京の風景を楽しむことができます。
前日に記憶を失うまで飲んでしまったため内蔵が絶賛崩壊中。 さすがに「水でいいです」では申し訳ないので、2ドリンクがついたコースを注文。しかしながら酒屋で1,000円程度のワインが出てきてガッカリ。ちょっと料理とつりあわないなあ。
アミューズが美味しい。下層はチーズ風味のムース(?)であり、上層はガスパチョ的なスープ。燻したホタテの香りが心地よく、今後の展開に期待を持たせてくれます。
愛媛県宇和島産本マグロのグラデーショントライアングル。なんだか凄い料理名ですが、平たく言うとカルパッチョです。
マグロはやや水っぽく味わいは中くらい。アクセントとして存在する長芋とキャビアが補佐役の割に実に美味しかった。また、右上のミキュイ(半生に火入れすること)の素材が大トロなのか、品の良い脂の甘さを感じることができ素晴らしい出来栄えです。
パンが美味しい。ほんのりと温かく、小麦だけでなく様々な穀物を感じる逸品。
タリオリーニ アグー豚とポルチーニのアマトリチャーナ。卵入りの平打ちパスタをトマト系のソースで楽しみます。全体として悪くはないのですが、アグー豚を用いる意図がわからない。普通にグアンチャーレ(豚頬肉の塩漬け)でつくればいいのに。また、ポルチーニの風味が強烈であり、トマトの酸味と喧嘩しています。これならアマトリチャーナではなくクリーム系のソースにしたほうが私は好きだなあ。
魚料理はメダイ。なるほどここでクリーム系のソースを用いるからパスタはアマトリチャーナだったのか。第一印象は美味しいのですが、食べ進めていくうちにメダイの単調な味わいが気になり始めました。火入れの思い切りが良すぎるのか、どうも脂や旨味が抜け切ってしまっている気がします。
国産牛フィレ肉のソテー。これは美味しい。腹が膨れ始めた時期にごくごくシンプルな調理で美味しいと思わせるとは、かなりの素材なのでしょう。
しかしながら赤ワインが全然ダメ。ペタペタとフラットな味わいで肉料理に全く合いません。連れはグラスの半分以上を残し、このワインアウトオブ眼中がミエミエです。
デザートはシトラス系のタルト。マスカルポーネ由来のふくよかで伸びやかな味わいがグッド。ホワイトチョコと抹茶のジェラートによる味わいの変化もあり、本日一番のお皿でした。
コーヒーはイマイチ。どうにも複雑性がなく平板な印象です。
全体を通して味わいのK点を超えてくるのですが、悪い意味でホテルのオールデイダイニングらしさが目立ちました。安定はしていますが面白味に欠ける。なんだかんだで10,000円を軽く超える割に妙にカジュアルな雰囲気。使い勝手が良さそうで、使う状況が見当たらないレストランでした。
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ホテルでの食事は割高ではあるのですが、サービスも味も大きく外すことは無いので安定枠として確保しています。その中でも私のお気に入りは下記の通り。
- ザ・レストラン by アマン/大手町
- ニューヨーク・グリル(パーク・ハイアット東京)/都庁前 ←食べ放題なのに食べ放題クオリティではない
- ジランドール(パーク・ハイアット東京)/都庁前 ←ランチステーキがお得
- ピークラウンジ(パークハイアット東京)/新宿 ←21時までであれば6,000円チョイで飲み放題という大盤振る舞い
- キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ/都庁前 ←滞在時間4時間。泥酔。
- ザ・レストラン by アマン/大手町 ←全てが開放的で健康的
- ザ・ロビーラウンジ&バー(ザ・リッツ・カールトン東京 )/六本木 ←「WOWバーガー」13,000円(税サ別)
- ステラガーデン/芝公園 ←東京タワーが0時に消灯する理由
- シグネチャー/三越前 ←絶対に外さない、非の打ち所の無いレストラン
- あらし山吉兆/洞爺湖 ←吉兆の技術と北海道の素材が調和。
- 琉華菜苑/喜瀬 ←ブセナで唯一納得感のあるレストラン
- ザ バー/恵比寿 ←安い
- レ セゾン/日比谷 ←ジビエジビエジビエ!
- ラベ/西梅田 ←クラシックなフレンチ、正統派
ホテル業界の神と随一のマーケターの共著。サービスする側/される側の両視点があり、「ホテルマンが感動するお客さま」「少しでもお得に、上質な部屋に泊まる方法」などの話題も興味深いです。