軒先はゲストへの大犯三箇条が満艦飾。「身なりのだらしない方NG」「ビーサンNG」「タトゥーNG」「子供NG」「車椅子NG」「アレルギー対応NG」と、注文の多い料理店。店が主導権を完璧に握っており、ここまで正々堂々としていると清々しさすら感じられます。
今日も1日楽しかったね、と生ビールで乾杯。一番絞りが650円と都心価格。今から思えばランチの静岡麦酒は極めてお得であった。
もずく酢。糸のように細いもずくが品の良い酸味を纏って胃袋に落ちていく。日焼けで火照ったカラダにぴったりの一品です。
イカのお造り。新鮮でネットリとした舌触り。とにかく甘く、甘エビかと錯覚してしまいそうです。しかしながら1,500円という価格は割高である。
天ぷら盛り合わせ。川上庵を凌駕する爆弾サイズの大エビの登板に歓声があがる。
見て見てこの断面!ウインナーのような極太サイズでプリップリ!衣の厚さや油の質など揚げの技術につき課題は多々ありますが、この素材のボリューム感は全てを特赦してしまうパワーがある。
金目鯛の煮付け。なあんだ、丸々1匹じゃなくて切り身かあ、と侮っていたのですが、特大サイズの一番いいところだけをカットしてきているので、その満足感といったらない。とにかく可食部が多く、骨は少なく、食べ応え抜群の1皿でした。
かに汁。こちらは小ぶりのカニさんが1匹ドボン。どす甘く品の無いスープと思いきや、意外にも清廉潔白な味わいでありカニの旨味のみが正直に引き出されています。汁の量もたっぷりであり、2~3人で1杯がちょうど良いでしょう。
なるほど熱海でトップクラスの人気店であり、店側も強気でいられる理由がよくわかりました。熱海に来る際は素泊まりとし、この店で夕食を摂るというプランは大いにアリです。今度は定食メニューを食べてみようっと。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。