■東海道新幹線
品川駅で連れと待ち合わせ。「火傷しちゃったんだ~」と膨らむ指を突き出す彼女。「ウキウキして髪巻いてたら、ジュってなっちゃった」ウキウキか、嬉しいこと言ってくれるねえ。
「朝ごはん食べていい?」と車内でサラダを広げる彼女の素足が目に眩しい。やはりスタイルが良い女の子はサラダである。ちなみにデブだとデニュッシュとドーナツをキャラメルフラペチーノで流し込むところでしょう。
■MOA美術館/熱海
熱海駅に到着し、そのままMOA美術館へ。モアびじゅつかん、ではなく、えむ・おー・えー美術館です。Mokichi Okada Associationの略。ちなみにお隣には熱海瑞雲郷という、世界救世教の聖地があるのですが、これも岡田茂吉が趣味で始めた宗教のようです。
ちなみに私は美術品に疎く、歴史の資料集に載っているものぐらいしか知らないので、当館に所蔵されている美術品の価値はよくわかりませんでした。それよりも、房総半島から三浦半島、伊豆半島まで180度の大パノラマが圧巻。
一眼レフも持ってきたのですが、やはり取り回しが悪くて使いづらい。気合を入れてポートレートだけを撮るなら問題ないのですが、旅行で自分も楽しもうとする場合は全く上手に写真を撮ることができません。
「ねえねえ、おなか空いちゃった」と背中とおなかがぺったんこの美脚。さっきサラダ食べてたじゃないか、返すと、「あなたと違ってあたしは成長期なの。ゆうべはフランス料理のフルコース、しっかり食べてきたんだけどな」
MOA美術館にタクシー乗り場はなく、バスで熱海駅まで戻る。本当は11:55の船で初島へ渡り、島の食堂でランチを摂ろうと目論んでいたのですが、交通機関の接続が悪く断念。
■囲炉茶屋/熱海
コンティンジェンシープラン発動。夜にお邪魔しようと決めていた囲炉茶屋を前倒しランチ利用。観光地の有名店だからと斜に構えて臨んでしまいましたが、中々に美味しくリーズナブルであり、接客も見事。オススメです。詳細は別記事にて。
ツマミが旨く酔いも気持ち良く、次の船にギリギリ間に合うかどうかの時間になってしまったので、もう初島は諦めて熱海のビーチでごろごろしながらビールでも飲まないかい?と提案すると「何いってんの!ホラ!立って立って!行くよ!」と連行される私。
■初島アイランドリゾート/熱海
運よくタクシーがつかまるも海岸線は大渋滞。港に車が着いたら僕はダッシュでチケットを買いに行くから、キミは船着場で適当にゴネながら出港を遅らせておいてくれ、なあにキミの美貌を持ってすれば朝飯前だ、と綿密な計画を遂行し、何とかギリギリ間に合いました。後のギリギリガールズである。
熱海港から初島までは僅か25分。老若男女問わず、みんな笑顔で潮風を浴びながら目的地を指差す。やはり船旅はいいもんだ。
私たちの最終目的地だる初島アイランドリゾートへは港から徒歩10分。「ねえねえ、ここに来る女の子たち、見た?みんな物凄くレベル高い。ひと工夫ひねりがあるというか、ナイトプールではしゃいでるブス共とは大違いだわ」
港近くには飲食店が並びます。いずれの店も海鮮推し。親戚の漁師の家に遊びに来たような穏やかな空気が漂う街。
■海のプール/初島アイランドリゾート(熱海)
「海のプール」。海沿いに作られた海水リゾートプールです。7月の土曜日、絶好の海水浴日和であってこのガラ空きっぷり。ファミリーよりもカップルや女子会が多く、都心のホテルのプールのような客層です。
仕組みが想像以上に原始的。まさに海とパイプで直結。この合理性を考えると、大磯ロングビーチの真水プールはちょっともったいない気がします。
休憩所は有料と無料があるのですが、無料でさえこの清潔感と空きっぷりなので、あえて有料を選ぶ必要はないでしょう。また、コインロッカーは200円ですが、とにかくゲストが少なく常に自分の荷物と人の行動が目に入るので、モノを盗られる心配はありません。「おまたせ」連れが完璧な水着姿で登場。健康的なボディラインに思わず見入ってしまいます。すごく素敵だ、と拍手をおくる。「ありがと。でも最近、すっごく気になる女の子がいて。21歳でカラダは物凄く細いんだけど、超巨乳。あたしも頑張らなきゃ、負けてらんないわ」ホラこの子、とインスタ画面を悔しそうに差し出す連れ。
ちょっと待て、確かに細くて巨乳かもしれないけど、キミとは方向性が違いすぎる。土俵が全く異なるから比較のしようがないし、僕にとってはキミのほうが断然魅力的だ、と謎の説得を試みる。「そうなの?日本の男は皆ロリコンだから、この分野も押さえとかなきゃと思って」
■アジアンガーデンR-Asia/初島アイランドリゾート(熱海)
プールは16時に閉園。その後は併設された公園でまったり。プールと同様にガラガラの空き空きであり、経営状態が不安になる。
泳ぎ疲れたカラダをハンモックで労わる。あっという間に意識が飛び、贅沢なお昼寝タイムを満喫できました。
「ねえ、おなかすいた。大事なことだからもう一度言うけど、おなかすいた。あたし成長期だって言ったでしょ?」並外れた食欲である。アイスで満腹中枢を誤魔化しながら船を待つ。
「夜は何たべよっか?やっぱ海鮮だよね。魚介出汁のラーメンもいいなあ。あ、あたし、ゆうべも金目鯛食べて、今日のランチも食べて、これからも食べようとしてる」ネットを検索しながら幸せな議論を重ねるふたり。目の前のコンパートメントには疲れ切って集団で眠りに落ちる大学生たち。幸福に満ち安導券を認められた船舶。
■和食処こばやし/熱海
夕食は熱海でトップレベルの海鮮居酒屋へ。「身なりのだらしない方NG」「ビーサンNG」「タトゥーNG」「子供NG」「車椅子NG」「アレルギー対応NG」と、注文の多い料理店ではあるのの味と費用対効果は申し分なし。店側が主導権を握り強気の姿勢でいられる理由に納得。詳細は別記事にて。
「今日は1日ありがと。すっごく楽しかった!お礼にココはあたしにごちそうさせて」イイ女である。彼女と長続きする理由は、彼女のこのような心遣いにあるのかもしれません。金額の多寡ではなく心の在り方の問題。
ちなみに先日お金持ちの男性との飲み会において「ずっと奢ってばっかだと、途中からオレ何やってんだろ、って気持ちになっちゃって、その女への愛着は失せちゃうようね」という結論に達しました。
男に奢られて当然という態度の女たちは、確かに目の前の金銭は目減りしないものの、中長期的な人脈を費消しているという見えない事実に早く気づきましょう。そのために誕生日やバレンタインがあるということをお忘れなく。裏を返すと、どうでもいい男からはいくらでも搾り取ってやって下さい。
■品川駅
心地よい疲労感に満ちながら解散。「すっごく楽しかった!またね!」そうだ、ひとつだけ言い忘れてたんだけど、いいかな?と、一歩私に近づく美脚。井戸を覗き込むような視線が私の下半身に突き刺さる。
「その短パン、夏になると毎年いっつも履いてるけど、ボロいからいい加減買い換えたほうがいいよ。あたしだからいいけど、初デートにそれで行くと引かれると思う」
世界人類が平和でありますように。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。