キャパは15名ほどの店内。今風に言うとオープンキッチンであり、大将おひとりが客の要求を一手に引き受け魔人のように切り回す。
まずはビール。ごちゃついた店内ではありますが、サーバーのメンテナンスはきちんとされており、しっかりと美味しいです。
当店はイワシ料理を得意とする立ち飲み屋。まずはイワシの南蛮漬け。鋭い酸味とイワシのコクが渾然一体となり先頭打者ホームラン。350円でこれだけ整合性の取れた料理を作り出すとは天晴れである。
イワシの刺身も350円。質に対して驚くほど安い。町の寿司屋に匹敵するクオリティ。醤油にひたすと花開くイワシの脂。そこらのスーパーであればこの質の刺身をこの値段で買うことは難しいです。
勢いづいたので日本酒。紀土-KID-純米吟醸夏ノ疾風。名前の通り爽快感に溢れ酸味が豊か。旨味も軽やかで、シャープなキレが心地よい。しかしお代は650円。当店は料理に比してドリンクの値が張ります。
目の前で大将がトントンと包丁を叩き、あっという間になめろうの完成。こちらも350円。様々な薬味が加わり、先の刺身とはまた違った愉しみがあります。ネギやハーブに風を巻いて走る猟犬のような鋭さがあり、思わず日本酒に手が伸びる。
イワシの煮付けは丸々1本を。こちらは思いのほかアッサリ仕立て。日本酒はもちろんのこと、白米が欲しくなる逸品。いわゆる家庭料理であり、創造性溢れる組み合わせがあるというわけではありませんが、うっかり立ち寄ってしまう魅力があります。
「おまたせ」と美女登場。当店はいわゆるガード下の立ち飲み屋であり、彼女の場違いな雰囲気が店内のオッサンたちの視線を根こそぎ奪っていく。「とっておきの店があるから、行こ」とっておき。いい響きだ。神田の夜は長い。
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私はヒールからスニーカーまでイケるクチです。三ツ星店もいいけど、場末の飲み屋街も魅力的。
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おひとり様大歓迎の名酒場100軒を掲載。ひとり客の割合・男女比・ビールの値段などを「酔い処早見表」として整理されており読み易いです。紙媒体だと1,000円近くする本が、Kindleだとたった500円でお買い得!