セブにオッサンがひとりで行くとこうなる<3日目>~箱パカプロポーズが急増している理由とは?~

■ファンダイブ/セブ
「おはよ!このドライバーさん、すっごく丁寧。安心して乗っていいから!」留学生が学校に出入りしている旅行業者(?)経由でダイビングツアーを手配してくれました。

何でもセブは道も悪ければ車も悪く、挙げ句の果てには運転マナーも最悪なようで、「学校のメンバで出かけるときは10人ぐらいがバンに詰め込まれて、そのうち2〜3人はゲロ吐く」らしいです。
「あたし、この前ライセンスとったばっかなんだけど、ダイビングショップが超適当でさ。○○さん(私の名)ってPADIのレスキューでしょ?何かあったら助けてね」何でもそのショップは韓国資本であり、韓国語字幕のビデオを見せるだけでCカード(いわゆるライセンス)を付与してしまうらしく、筆記試験も何も無いらしいです。

まあ、水中で呼吸を止めないことと、急浮上しないことだけ気をつければ何とかなるよ、と気休めを言うと「え?水の中で息って止めちゃいけないの?」と純真無垢に質問され、戦慄が走る。果たして私は彼女を守り切ることができるのか。
ちなみに料金は、2ダイブ+ボートフィー+フルレンタル=3,500ペソ(8,000円弱)と、日本の半額程度であり、不安は募るばかり。さぞ酷い設備ならびにガイドではないかとビビっていると、なんとガイドは日本人の方でした。
「15年前に永住権を取得して、もうずっとフィリピンに住んでいます。フィリピンの海なら任せて下さい」と心強い。

元々は料理人として語学学校の料理長をしていたらしいのですが、生徒数が1,000人近くいる大所帯であり、日々、数千食の給食の陣頭指揮をしていたとのこと。「世界一、他人に厳しく自分に甘いお国柄で、苦労が絶えませんでした」
「フィリピン人はとにかく米を良く食べますね。皆、経験なカトリックなので、中絶は絶対NG。だから、人口構成はキレイなピラミッド。10人家族なんてザラで、家庭で料理なんか作ってられなくて、大量のゴハンに塩漬けの魚だけで済ますのが普通の食卓」
「この船は手作りです。コンパネの分厚い板を貼り合わせて、みんなでペンキを塗って。何でも手作りする文化ですね。街中に信号って無いでしょ?外国から信号を数千万円で買うよりも、人間が一日中、手旗信号をするほうが安くつく。そっちのほうが雇用にも繋がりますし」
目玉の沈没した飛行機。わお、もしかして太平洋戦争時の日本軍?「いえ、これは観光名所を作ろうということで、欧米人が沈めていったんです」
肝心のダイビングですが、ガイドがつきっきりで彼女をサポートして下さったので、私は気持ちよくファンダイブを楽しむことができました。しかしながら彼女レベルの客が複数名参加した場合はどうなるのかと想像すると寒気がする。
メチャクチャなライセンスの付与をして、その後のケアを他のショップに押し付けるだなんて酷い話。これを読まれたPADIの関係者の方は、セブのダイビングショップの実態調査のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。


■インルームダイニング(ルームサービス)/クリムゾンリゾート(セブ)
お土産にもう1本のワインをお持ちしていたのですが、レストランにコルケージの仕組みがあるかどうかは不明だったんで、ルームサービスを取りテラスで広げて遅い昼食。詳細は別記事にて。


■プール/クリムゾンリゾート(セブ)
「プール行きたい!」食休みもそこそこに、私以上に当リゾートを満喫する留学生。これが若さである。

プールに行ったことは事実ですが、ほとんど記憶がありません。日陰に閉じこもり2時間近く昼寝してしまい、気づいた頃には日が沈みかけています。水中でフラフラと漂っているだけなのに、ダイビングってどうしてあんなに疲れるのでしょう。
「これ、フィリピンの名物!」とプールサイドでオヤツを注文する彼女。バナナ・スプリットと言って、丸々一本のバナナを半分に割り、その間にマンゴーや紫芋のアイスなどを詰め込んだ郷土色豊かなデザートです。親の仇のように砂糖が加えられているのはご愛嬌。


■プライベートビーチ/クリムゾンリゾート(セブ)
「ビーチも行きたい!こんな凄いホテルに来ることなんてできないから、全部楽しまなきゃ!」
夕暮れ時のプライベートを訪れると、日本人カップルが絶賛プロポーズ中。まさに模範的な箱パカであり、こういった手順をきちんとこなす男子は無条件で信用できます。また、プロポーズなどは有耶無耶にしてしまう日本男児が多かったですが、SNSの発達により、きちんとプロポーズする男子が増えたような気がします。プロポーズに留まらず、季節の行事などにきちんと取り組む人々が増えたような気がする。まさかデジタルの急先鋒が伝統行事を復活させるきっかけとなるとは。複雑化していく世界。
プロポーズ後はふたり揃って仲良くお片付け。初めての共同作業ここにあり。ちなみに我々の隣には韓国人の女の子がふたりで1時間近く自撮りしています。その片割れがアイドル級に可愛くて、「撮ってくれませんか?」「どちらから来られたんですか?」と言う名の逆ナンを夢見ました。
波の音を聞きながらのんびり。「これなんだよね、あたしの求めていたセブって。手を伸ばせばすぐにビーチがあって、波の音が聞こえて」なのに学校の周りはゴミに溢れてて、治安も悪くて出歩けなくて、とうつむき加減の留学生。

「月曜日の授業では必ず『週末何してたか』を先生に聞かれるんだけど、こんな贅沢に過ごしてたなんて、ちょっと言えないなあ。ホントありがとね!」一生忘れないから、と手を振りタクシーで走り去って行く留学生。こちらこそ、勉強で忙しい中ありがとう。今度は日本で、いや世界中のあらゆるところに潜りに行こう。海は世界の全てを覆い優しく凪いでいるはずだ。


■スコア・スポーツバー(Score Sports Bar )/クリムゾンリゾート(セブ)
遅い時間にランチを摂ったので、もう夕食はパスでいいかなと考えていたのですが、どうも小腹が空いてしまう。『スポーツバーは21-24がハッピーアワー』という案内があったので、軽くつまみに行くことに。
azureと同様に1杯注文するともう1杯が無料という仕組みです。クラフトビールを注文。お通しのピーナッツの中に揚げニンニクが仕込まれており、ビビッドな風味がアクセントになってビールが進む。
ツマミにハンバーガーを注文。ランチのようなバーガーを想像していたのですが、小ぶりのバーガーが3つと面白い形での提供でした。

チーズはフライにされています。揚げ油が傷んでおり、分厚い衣がそれを吸い上げ胸が焼ける。パティはランチと同様に100%アンガスビーフであり、塩コショウだけで肉そのものの味を楽しみます。バンズはランチと同様にイマイチでした。
お会計は2,000円弱。高級ホテルでこれだけ飲み食いしてこの値段は素晴らしい費用対効果です。奥のビリヤードコーナーが騒がしいのと、全席喫煙可なのが玉に瑕ですが、友達とワイワイやるには最高のお店。オススメです。


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