レストラン ラ・フロレゾン・ドゥ・タケウチ/伏見(名古屋)

La Floraison de TAKEUCHI。ヴィエンヌのラ・ピラミッドを皮切りに、恵比寿のロブション、名古屋のミクニなど名だたる名店で修行し、名古屋のシェ松尾で料理長を5年間務めたシェフ。大きな期待を抱かせる経歴。
入ってまず目に飛び込むのはアイランド型のオープンキッチン。 もちろんピッカピカに磨き上げられており、今後の展開に希望を見出す。
小さな店ながら、壁一面のガラス窓のおかげで開放的な印象(以上の写真は公式ウェブサイトより)。広尾のア・ニュに雰囲気が似ています。
テーブルセッティングは簡素ながらセンスを感じる。厨房かぶりつきの特等席であり、料理人たちの躍動感が食事を楽しむスパイスに。
アミューズは2品。左は新玉ねぎのポタージュにハマグリ。滋味溢れるポタージュの味わいにハマグリの強烈な旨味。アクセントに緑色のジュレ(?)が敷き詰められており、手の込んだ調理に確かな希望を見出すことができました。右は新玉ねぎにホタルイカ。シンプルな料理ですが、酸味のバランスが絶妙。和食店で出しても面白い料理です。
パンは標準的。
前菜はホワイトアスパラガスに色とりどりの野菜とハーブ。お花も含めて全て食べることができます。女性的な風合いで見目麗しいのですが味は凡庸。春菊のソースが季節感のある味わいであるものの、全体としての印象は薄かった。
こっちのパンのほうが好き。
メインはキハタ(アオハタ、アオナ)。それほど高級魚というわけではありませんが、クエのような上品で淡白な脂を楽しむことができる費用対効果の高い魚です。

まず、火入れが素晴らしい。身そのものにはしっとりと水分を含む一方で、皮目はバリっと焦げ目があり食感が楽しい。ブラックオリーブのペーストが皮に塗布されており焼き目の印象を後押ししてくれます。豆のソースもコクがありミルキー。見た目も含めて美食の探求に相応しい魚料理でした。
デザートは苺。工芸品のように整然と敷き詰められた苺模様。苺のムースに苺のアイスと苺づくし。苺の味わいも確かであり、本日一番のお皿です。
小菓子と共にコーヒーで〆てごちそうさまでした。
全体を通しては完成度の高いお店という印象。ただし昼のショートコースであったため、あまりお腹いっぱいになることができず、シェフの本領を判断することはできず意見差し控え。

サービスはやや硬い。常連になれば居心地が良くなるのかもしれませんが、一見の客にであっても、もう少し温かみが欲しいところです。

いずれにせよ、次回は夜にフルコースでワインと共に当店のフルパワーを楽しみたいと思います。


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レストラン ラ・フロレゾン・ドゥ・タケウチ