かつて新潟魚市場として賑わった地にある食事処だけあって、海産物には滅法自信がある様子。平日 9:30~15:30、土日祭 9:00~15:30、定休日は火曜のみと、観光客にはありがたい営業時間です。
グランドメニューは10種ほど。そのいずれもが海産物を主体とした丼もので、数量限定で売り切れしているものもチラホラ。
単品で焼き魚や煮魚は単品でのご用意。丼を注文し、追加でお願いするのも良いでしょう。
注文を済ますと番号札を受け取り、簡素なテーブルに陣取って、呼ばれれば取りに行くスタイルでした。しかし客に比べて店員のほうが多く、その店員はヒマでダベってるぐらいなんだから、客が取りに行くんじゃなくて持って来てくれたっていいのに。
と、連れにブツブツ文句を言ってると、店員の顔見知りの客が現れ、その客には店員自ら運んでいって、真隣でその一部始終を見ているのは気持ちの良いものではありません。
煮ダコは200円チョイ。これは費用対効果が抜群ですね。ビールが欲しくなります。
連れは特盛り海鮮丼、1,100円です。ううむ、あまり新鮮ではなく所々干からびています。色も悪い。私の丼の具材といくつか交換こしましたが、東京の回転寿司のネタと同等かそれ以下の品質でした。欺瞞だ、と怒り狂いそうになりましたが、まあ、価格を考えればこんなものかもしれません。
私は数量限定の南蛮エビ丼。1,580円です。南蛮エビの正式名称はホッコクアカエビ、平たく言うとアマエビです。アミノ酸由来の甘味が極めて強く、とろりとした官能的な食感は日本酒を呼ぶ。エビ好きにはたまらない味わいです。
ただし、ゴハンが驚くほど不味かった。日本一の米どころとしての矜持は微塵も感じられず、ベッチャベチャに炊き置かれた芯のないゴハン。こねてるんじゃないかというぐらい耐え難き歯ごたえの無さ。総合的に考えると、1,580円は高いです。そろそろ堪忍袋の緒が切れそうです。
エビ味噌汁は美味。和風ブイヤベースのように甲殻類の出汁が強烈です。エビはいいですよね素材の全てを余すところ無く使い切ることができる。
市場に併設されたレストランにもかかわらず、非常にレベルが低い海鮮丼屋でした。これなら市場で刺身を買って、休憩室で広げてみんなでつつきあったほうが余程満足度は高いでしょう。
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和食は料理ジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの和食ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い和食なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
- くろぎ/湯島 ←吉野川の天然鰻に悶絶。ただちょっと割高かも。
- 温味/すすきの ←旨い!多い!安い!完全無欠の三ツ星和食店。
- 龍吟/六本木 ←モダンスパニッシュとさえ感じる前衛的な和食。外人にオススメ。
- たきや/麻布十番 ←その龍吟を天ぷらにするとこうなるのではないか。
- えさき/青山 ←こちらも創作気味。ミシュラン三ツ星和食にしては圧倒的な安さ。
- 季節料理なかしま/白島(広島) ←同じくミシュラン三ツ星和食にしては圧倒的な安さ。
- 歓盃 人形町田酔はなれ/人形町 ←飲んで食べて1.5万円。このあたりが分水嶺。
- 日本料理TAKEMOTO/代官山 ←2万円を切ってくる。私にはこれぐらいがちょうど良いです。
地魚工房