ベスト・オブ・ホノルル賞を受賞した大人気の朝食店。もともとはオムレツ屋なのですが、オーナーしかレシピを知らないというマカダミアナッツ・パンケーキが日本のメディアで取り上げられ、パンケーキの名店として名を馳せました。
オープン10分過ぎに到着すると、客は既に半分の入り。今のところほとんどが地元のお客です。そう、カイルアに泊まる日本人は少なく、ワイキキから当店を目指すとどうしてもオープンと同時入店は難しくなり、結果として遅い朝食で行列を作ることになるのです。
さて、スペシャリテのマカダミアナッツ・パンケーキ。私はそもそもパンケーキのように小麦粉に砂糖をぶち込んで焼いただけのような野蛮な料理は好まない。そのため、斜に構えた論評となるかもしれませんが悪しからず。
やはりというか、生地が全く美味しくないですね。フランスのどの町内にでもある、何でもないパン屋の2ユーロのクロワッサンのほうが3倍ぐらい美味しいです。一方で、ソースには独自性があり面白い。マカデミアナッツとバナナの風味にほどよい甘味。いくらでも舐めていたくなるような中毒性がそこにあります。
出自であるオムレツも外すことはできません。そうそう、店内が混み始めると、日本人観光客の注文は後回しとし、地元民またはアメリカ人を優先して料理を提供します。ごく自然な感情であることは事実ですが、決して高級な姿勢とは言えません。
玉子が極めて薄く、オムライスのそれのようです。たっぷりのエビとマッシュルーム。チーズもこれでもかという程たっぷり投入されており、みんなが好きな味わいでしょう。ハッシュブラウンの焦げ目もグッド。パンケーキよりも余程こちらのほうが旨いです。
それにしても、この人気の過熱ぶりは何でしょうか。決して不味くはありませんが、とりたてて美味しいわけでもありません。私は決して当店を非難したいわけではなく、どこの誰が作ろうと「パンケーキ」という料理が人の心を揺さぶることは極めて稀だと考えているのです。
「ハワイに来たらこれを食べないと始まらないの!」と、ソウルフードめいた評価をしている女の子は良いとして、「メチャメチャ美味しい!感動!」などとインスタをアップしている方は一度私とデートしませんか?こんな砂糖と小麦粉の塊で感動するぐらいなら、もっときちんとした料理で貴女を失神させる自信があるのだけれど。
日本のメディアはもう少し冷静な報道をすべきでしょう。と、こんなことをヤイヤイ言っても何も始まらないので、1ヶ月ぐらいハワイに引きこもって、自分でグルメ本をつくろうかなあ。それでも恐らく90%の店の評点は5段階中の3以下であり、「全ては中くらいで東京を超えることはまずない。雰囲気で食べさせる島」が結論になりそうな気がするけど。
「ねえ、お願いだから黙って食べて。そんな本、死ぬほどつまらないわ」と妻。
目次
「2週間のハワイ旅行で出来ること」シリーズを目次としてまとめました。
- <1日目>~常時接続~
- ハワイの高級住宅地の豪邸を1泊2万円で借りる方法
- <2日目>~肥満体に叩き起こされた話~
- <3日目>~オバマ大統領が幼少時を過ごした地~
- <4日目>~松坂世代以降が感じの悪い日本人を駆逐~
- <4.5日目>~オーノー、イッツ・ノット・フリー~
- <5日目>~夫婦間格差~
- <6日目>~最悪な日本人コーディネーター~
- <7日目>~警官に撃たれそうになった話~
- <8日目>~フラッシュ・モブで裏切られた話~
- <9日目>~地球の裂け目と美容整形~
- <10日目>~イルカの脚のハンバーガー~
- <11日目>~ボイコットハワイ運動について~
- <12日目>~4回ぐらい妻に詰め寄られ遂に根負け~
- <13~14日目>~総括は「しばらくハワイに来ることは無いだろう」
Boots & Kimo's Homestyle Kitchen
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