由布院御三家の一角「亀の井別荘」。荘厳たる門構えが宿泊客以外を跳ね除けます。
しかし併設のレストラン「湯の岳庵」はウェルカム体勢。予約さえ取れれば誰でも入ることができます。
和洋折衷のレトロな雰囲気。なのですが、サービスの方々が皆テンパってて見苦しいのが残念。殆どのメニューはセットものでありお盆に載せて一気出しなのに、なぜあんなにいっぱいいっぱなのか。コース料理でもあるまいし。また、客についてもマナーの悪い年配者が多かったりと、およそ高級旅館の併設レストランにそぐわない環境です。
朝ごはんで満腹だったので、軽めのランチ。「弥生膳」という、一汁三菜野菜主体のお膳です。
野菜と芋を団子状にすり潰し揚げたものでしょうか?初めて食べた料理です。コンセプトとしては悪くないのですが味付けが極めて薄いため、何を食べたのか判然としませんでした。
キノコとセリのぬた和えでしょうか。そう、当店において料理の説明は一切なく、ガチャンとお盆を置いていくだけなのです。味は上々。グニグニしたキノコの歯ざわりに柑橘系の刺激。
恐らくウドの煮物。野菜の味は感じられる調味料を食べているかのようでした。
麦ごはんは中くらいです大戸屋ぐらい。
お漬物も普通。
お椀は量がたっぷりなだけ。ワカメと山菜(?)に独特の臭みがあり、通向けを過ぎて不味かったです。
妻は可愛らしく和風オムライスを注文。大分名物の鶏飯を玉子で巻いて貝柱のあんかけを。
鶏飯は1合近くあり、卵はMサイズを4つ程使っているのではないでしょうか。とんでもないボリュームであり、新手の天津飯です。これは2~3人で食べてちょうど良いサイズ。味はご想像の通りです。
色々思うところがあったのですが、私のセットは1,500円だし、妻のオムライスは1,430円だしと、全てが安価なのですね。そう、当店はファミレスと同じ位置づけなのでしょう。サービス云々を要求するほうが野暮です考えを改めました私が悪いです。
関連記事
和食は料理ジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの和食ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い和食なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
- くろぎ/湯島 ←吉野川の天然鰻に悶絶。ただちょっと割高かも。
- 温味/すすきの ←旨い!多い!安い!完全無欠の三ツ星和食店。
- 龍吟/六本木 ←モダンスパニッシュとさえ感じる前衛的な和食。外人にオススメ。
- たきや/麻布十番 ←その龍吟を天ぷらにするとこうなるのではないか。
- えさき/青山 ←こちらも創作気味。ミシュラン三ツ星和食にしては圧倒的な安さ。
- 季節料理なかしま/白島(広島) ←同じくミシュラン三ツ星和食にしては圧倒的な安さ。
- 歓盃 人形町田酔はなれ/人形町 ←飲んで食べて1.5万円。このあたりが分水嶺。
- 日本料理TAKEMOTO/代官山 ←2万円を切ってくる。私にはこれぐらいがちょうど良いです。