名古屋と言えば「名古屋コーチン」。短絡的に焼鳥も旨いはずと情報を収集すると、「千亀、または万亀がいい」と、どの口も揃いに揃ってそう言います。
栄の飲み屋街、ピンク色のいかがわしいお店の2F。建物に入る際にスプリングセンテンスされ謂れ無い疑いをかけられはしないかとヒヤヒヤしました。
やはり焼鳥には生ビール。のはずだったのですが、ややくたびれた味わいであまり美味しくありませんでした。
お通しは塩キャベツ。まあ、切って出しただけのものです。
せせり。鶏の首の部分です。ひとつの串にギュウギュウに詰め込まれており、そのひと口ひと口がとってもジューシイで直線的。味付けも気っ風が良く、この一本で私のハートを鷲掴み。
白肝。一般的にレバーの色はもっと赤色が強いですが、白肝は雌の鶏が卵を産むのに必要な栄養を蓄えている状態であるためこのような色になるとのこと。なるほどバターのようなコクがあり、鉄分の強いレバーとは全く別の食材です。
つくね。あっさりと塩味ながら密度が非常に高いため、肉の印象がとても強いです。コリコリとしたナンコツの食感も楽しい。今度はタレで食べてみよう。
生ビールにピンとこなかったので、大瓶へ。これ1本で630円は非常に良心的。
コーチンもも塩焼き。表面はカラっと香ばしく焼かれており、その内側に溢れ出る肉汁。清澄な肉質でありながら肉の味も濃い。なるほど名古屋が地鶏で一旗あげた理由に納得です。
他の串は1本300円前後であるのに対しコチラは1,000円と桁違いの価格ですが、量もこれまた桁違いであるため、グラム単価はこちらのほうが安いかもしれません。
大団円は大好物のちょうちんを。卵黄を口に含み弾けさせる瞬間が堪らない。肉と共に口に含み、濃厚の極みを楽しみながら幸せなひと時。タレの甘さもちょうどいい。苦手な方も多いですが、私にとっては本日一番のお皿でした。
〆にコーチンガラスープ。こちらも絶品。行列のできるラーメン屋のスープそのもの。無理にごはんものを注文せずとも鶏の余韻に浸ることができるという意味でオススメの1杯です。
これだけ飲み食いして4,100円。ううむ、リーズナブルさに思わず唸ってしまう。東京のそれなりの店であれば7,000円近く取られかねないクオリティです。
難点は客席数に比べて焼き場が小さく、皿出しが遅いところ。体感的には1本10分かかります。気の置けない仲間と一緒でなければ会話が尽きてしまうおそれがあるのでご注意を。次回は独立元の「万亀」にお邪魔してみようと思います。
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