ローストビーフ、流行ってますねえ。ユッケを始めとする生肉禁止令が発布されてから生肉に飢えた人々がローストビーフに流れ着いたような気がします。十番でローストビーフと言えばナニワヤ一択なのですが、行列のできるローストビーフ丼があると聞けば訪れてみたくなるのが私の性癖。
ローストビーフ大野、秋葉原店。食事時であれば並ぶらしいのですが、私はヘンな時間帯にお邪魔したのですぐに入ることができました。
ラーメン屋の居抜きのような内観。カウンターのひとり客だけでなく、テーブル席にグループで臨むこともできそうです。店員が一心不乱に巨大な肉塊をスライスし続けるようすに機能美すら感じます。
メニュー構成は至ってシンプル。「和牛ローストビーフ丼定食」の「和牛肉増し」を注文。2,820円と結構なお値段です。ご飯は並盛り。
顧客を睥睨するかのようなタワー盛りに圧倒されます。頂上に腰を落ち着けるのは卵黄、その脇から流れ落ちるのはマヨネーズ、脇を固めるキャベツの漬物。
ちなみにユッケが食中毒の原因になりやすいのは、加工時に雑菌が付着して、肉の栄養をもとに元気いっぱいに繁殖するからなんですって。同様に、ミンチ肉にも隅々まで雑菌が行き渡っているため、レアなハンバーグも非常にヤバいとのこと。
一方、ローストビーフは肉の塊で作るため肉の内部には雑菌が入り込まない。もちろん表面には雑菌がウヨウヨしているのですが、文字通り表面を「ロースト」するので、調理後はキレイさっぱり雑菌は死滅しているとのこと。なるほど。
おまけで付いてくるスープが地味に美味しいです。牛タン料理屋のテールスープのような方向性。量もたっぷり。
本題に入りましょう。肉そのものはデビュー当時の乙葉のような柔らかさ。ソースやマヨネーズなどは直線的な味わいで、即本番が始まったという感覚。「いきなり俺のローストビーフ」という店名でも素直に受け入れられるのではあるまいか。
味を変えるためにクリームチーズと西洋ワサビが添えられます。良い試みだとは思うのですが、いかんせん肉の量が他の追随を許さないので焼け石に水。
腹が膨れてきた頃にようやくライスに辿り着く。そしてこのご飯が信じられないほど美味しくない。肉そのものは割に旨いのにどうしてこうなってしまったのか。ここから先は完全に我慢大会であり「和牛肉増し」なんかにしなけりゃよかったと激しく後悔。これで2,820円はちょっと高いなあ。これならナニワヤで小さめの塊を買い、チリワインを合わせて飲んだ方が、同じ価格ながら満足度は3倍ぐらい高いでしょう。それでもチャレンジしたいという奇特な方は、まずは一番安いメニューから始めると良いと思います。それなら1,080円で諦めもつくでしょうし。
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