鹿港(ルーガン)。清代には貿易で大変栄えた重要港。宗教関連グッズや提灯屋、建具屋など、一風変わった商店が軒を連ねる地方都市です。
まず驚いたのは、英語や日本語が全く通じない点。「台湾は英語ができて普通。統治時代の名残もあって、日本語も結構通じる」と、したり顔をする自称台湾通がたまにいますが、あれ、真っ赤な嘘ですからね。台北ならそういう場面もあるかもしれませんが、地方に行けば全然無理です。
バイクが多くて疲れます。歩いているその脇をビュンビュンとバイクが走り抜けていくので、接触されはしないかと絶えず気を使います。また、四輪車も謎の動きをすることが多く、欧米感覚でいるとストレスを感じる交通事情でした。
タバコを吸う人がすごく多いです。もちろん歩きタバコです。バリっとしたビジネスマンをひとりも見かけませんでした。とても暑い国なので西洋的なドレスコードが育ちにくいのかもしれません。
中国のように人々が大声で怒鳴りあったりはしておらず、日本のごくごく普通の人々の声量程度です。また、中国のように道端にゴミが散在していません。どうしてルーツは同じなのにここまでマナーが異なるのか首を傾げてしまいました。
小学生のジャージはジャッキー・チェンです。でもジャッキー・チェンは香港か。
それでは昨日のグルメ特集に引き続き、鹿港の個別名所について述べましょう。
■ 天后宮
鹿港で最も重要な史跡であり、観光の中心地です。が、個人的にはあまり魅力を感じませんでした。やはり宗教施設というものは信心があってこその存在。お祈りを捧げる傍らで写真を撮り続けるのも無粋なので足早に立ち去りました。
■ 龍山寺
こちらも宗教施設ではあるのですが、観光の中心地から離れており、物好きな観光客をチラホラと見かける程度で居心地が良かったです。刮目すべきは釘を一切使わない建築術。空が青く、ふと沖縄の気候を思い出す。
■ 摸乳巷
デブは通り抜けることが難しい狭い路地。だから何というわけでもないのですが、所々絵になります。
■ 第一市場
沖縄の牧志公設市場のような雰囲気です。特筆すべきはバイクたち。食材がたっぷりと並べられた狭い通路にまで傍若無人に乗り込んできます。市場周りは屋台や飲食店なども多いですが、昼過ぎには店じまいするのでご注意を。
■ 九曲巷
鹿港で最も有名な路地裏。名前の通りクネクネ道。古い建物も多くフォトジェニックな空間です。本当はくまなく歩き回りたかったのですが、半グレのような野犬が徒党を組んで我々の行く道を阻んでいたので、回れ右して立ち去りました。
■ 古市街
作られた(復元された)古めかしい通りです。やや人工的な趣であり、お台場の施設を想起させます。訪れる人々も観光客ばかり。
■ 鹿港芸術村
こちらも作られた空間。見るべきものは特にありません。
というわけで、ややマニアックな観光地であり、台湾に初入国する者にとってはガッカリすることの多い街でした。ひねくれたことを考えずに、台中に入港したのだから大人しく台中市内に行けば良かったと反省。
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