長崎は海産物が豊かであるため、私のお気に入りの地方のうちのひとつです。しかし今回は1月2日というドお正月であるため、開いているお店はかなり限られました。気になるフレンチや鮨屋などもあったのですが、いずれも「市場が開くまではお休み」というスタンスでしたので、次回に是非。
さて、長崎と言えば卓袱料理。しっぽくりょうり、と読みます。「卓」はテーブル、「袱」はテーブルクロスの意。和食と中華と西欧料理のフュージョンです。本来であれば円卓で大皿から取り分けて、それこそ中華料理のように頂くべきなのでしょうが、今回は妻とふたりきりなので、雰囲気だけ。
お椀。お正月であるためか、お雑煮でした。旨味の強いシイタケや大ぶりなカマボコ、魚の身などが入っており、出汁も魚介ベースと言う、なかなかに食べ応えのある逸品。
左上はイカ(?)をカラシ酢で和えたもの。中華風というべきか、東京では中々お目にかかることができない料理でした。
右上は黒豆。大ぶりのものを控えめな味付けでふっくら炊いており品が良いです。
下半分はおせち料理のようにゴチャゴチャとややこしく、ひとつひとつのポーションも小さいため印象に残り辛かったです。鴨肉は噛みごたえあり旨味ありで良かった。
お造り。右のキハダマグロはやや水っぽくスジが強く中くらいです。真ん中はメジナ。甘さや旨味は控えめであるものの、しっかりと脂がのっており、皮目をバリっと焦がして風味が付与されています。左のヒラマサは歯ごたえも脂も申し分なくたっぷりで、思わず抱きつきたくなる味わいです。
ハトシ。卓袱料理の代表選手であり、海老のすり身を食パンで挟み、油で揚げたものです。中国や東南アジアにも似たような料理がありますね。味はエビフライの再構築といったところでしょうか。マイルドな口当たりの海老に、滑らかな食感のパン。海老好きの私得な一皿でした。
豚の角煮。上質な豚肉をスカスカにならないように適度に煮込まれています。
圧巻は白米。注文を受けてから炊かれたものであり、一粒一粒が完璧に美味しかった。こんなに美味しい白米は久しぶりだなあ。
他方、お漬物は普通です。
デザートは2種。まずは柿のゼリー。欲も得もない味付けでイマイチです。
お汁粉が見事。極めて粒子が細かく、サラサラと流れるように胃袋に落ちていく。貴族のように上品な甘さも神っており、本日一番のお皿でした。
前半の、おせち料理的な料理が続いた際は「ふーん、こんなもんか、ちょっと高いなあ」という印象でしたが、刺身あたりから満足度が跳ね上がりました。リンガーハットが経営している料理屋であり箱も大きい。爆発的なアタリは無いものの、外さずいつでも開いているという意味で、長崎観光の最後の手段として手持ちカードに入れておくと便利です。
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