台湾。主要国と国交を断絶しており、国連にさえも加盟していない世界の孤児。国際的孤立の中、インビクタスな精神のもと奇跡の発展を遂げた龍。上手く表現できませんが、無条件でカッコイイ国です。それでいて世界一の親日国。入国前から期待は高まるばかり。
入管後はオプショナルツアーに参加するグループと自由に行動するグループの二手に分かれます。我々は後者。それでも台中港近辺に観るべきものは何もないので船会社が気を利かせてくれ、歴史的にも文化的にも価値のある鹿港(ルーガン)という街までシャトルバスで送り届けてもらえました。
鹿港は小さな街であり、見所は全て徒歩で賄えます。しかし私の主目的は当然に食べること。奇しくも船内での食事に辟易していたところなので、事前に目処をつけておいたレストランを数件ハシゴしました。
■海珍蚵仔煎専売店/鹿港(台湾)
https://tabelog.com/taiwan/A5408/A540801/54001762/
鹿港の名物料理と言えばカキオムレツ。サツマイモ粉の生地に小ぶりのカキと野菜を加え卵でとじたもの。天后宮(観光の中心地)付近には屋台や食堂など百花繚乱ですが、一番人気は「輝鴻蚵仔煎」というお店。
という情報を頼りにその場所に行くと、全く別の店に様変わりしていました。移転か閉店かは存じませんが、徹底的に出鼻を挫かれたのは確かです。
代わりに近くにあった、適度に混雑した同系統のお店に入店。漢字メニューを読み解き指差しで注文。
カキオムレツ。甜醤という甘いソースで食べます。が、不味い…。これは私の口が悪いとかそういう話ではなく、心から美味しくなかったです。カキは生臭い、生地は片栗粉の出来損ないのようにベニョベニョ、卵は風味に乏しく、タレはケチャップに砂糖をぶちこんで水でのばしたかのような味。
しかしカキオムレツは破滅への一里塚でしかありませんでした。続くエビオムレツも全く同系統の味わいであり、カップラーメンの乾燥したもののようなエビがところどころ散らばっているだけです。
魯肉飯。甘いタレが浸み込んだ肉そぼろかけご飯です。これも同じく壊滅的。もちろん海のまち鹿港においてこの料理を注文すること自体ナンセンスなのかもしれませんが、そういうことを論じるレベルにすら達していません。ごはんがベチャベチャのグズグズで、電子レンジでチンするごはんのほうが余程美味しい。
もちろんこれが本場の味だと言われればそうかもしれませんし、合計150元(600円)という価格を加味するとこんなものかもしれませんが、余程のモノ好きでは無い限り、普通の日本人には厳しいお店だと思います。
■阿振肉包/鹿港(台湾)
https://tabelog.com/taiwan/A5408/A540801/54000884/
鹿港で最も有名な飲食店(テイクアウトのみ)です。鹿港自体、肉まんのお店はとても多いのですが、当店は群を抜いて人気があります。
原味肉包。いわゆる普通の肉まんです。肉汁がたっぷりでジューシー。餡に凝縮感があり肉の旨味が感じられます。生地は緻密で均一、ミルキーです。コンビニと551のちょうど中間ぐらいの味わいです。
翡翠肉包。ニラとニンニクが大量の餡です。目が覚めるような香り。私は好きですが、強烈な芳香が苦手な方には難しいかもしれません。
ところで、当店では昔々日本人が修行に来ており、その味を日本に持ち帰り、世田谷で肉まん屋として成功を収めているようです。
店主が「コバヤシ、ユーノウ?セタガヤ!セタガヤ!」とそのストーリーを一生懸命説明してくれたのですが、全く理解の進まない我々にしびれを切らし、一冊の本をプレゼントしてくださいました。
さらにレーズンパン(?)もオマケで頂くことになりました。つくづく得する人生である。
ちなみに、鹿港の食事では当店が一番美味しく感じました。〆にもう一度食べてから船に戻ろうかと15時頃に立ち寄ったところ、この混雑。10時であれば待ち時間はゼロだったので、早めにお邪魔したほうが良いでしょう。
■榕樹下阿婆豆花/鹿港(台湾)
https://tabelog.com/taiwan/A5408/A540801/54001763/
温かい豆腐にタピオカや緑豆、ピーナッツなどが加えられ、やや甘く仕立てられた食べ物を提供するお店です。
現地のオッチャンたちがひとりで黙々と食べていることから、朝ごはんのように使うお店なのかしら。
写真のメニューはなく、店員は英語も日本語も全く通じなかったので、「綜合」という語感のみで注文。
不味くはありませんが、食事を目指しているのかデザートを目指しているのか不明のどっちつかずであり、私は好きではありません。しかし妻は旨い旨いと一気飲みしていたので、まあそこは好みなのでしょう。
■王罔面線糊/鹿港(台湾)
https://tabelog.com/taiwan/A5408/A540801/54000887/
1930年創業の台湾風煮込み麺店。メニューは「麺線糊」のみであり、入店時に何杯食べるかだけを聞かれます。
私はたまたまUberEatsで食べたことのある「麺線糊」。素麺のように細い麺を甘いスープでじっくりと煮込んだ台湾特有の麺料理。レンゲで食べるのが特徴的。
具材はホルモンとパクチー。御成門の台湾麺線はホルモンの臭みが抜けておらずアンドゥイェット感満載でしたが、当店のそれは非常にクリアであり美味しかった。
値段は1杯100円ほど。隣のテーブルの高校生たちが「おばちゃんもう1杯おかわりー!」なんてやってるのを見て思わず笑みがこぼれます。
■50嵐/鹿港(台湾)
https://tabelog.com/taiwan/A5408/A540801/54001764/
タピオカミルクティーのチェーン店です。テイクアウトのみ。マクドナルドのMドリンクほどのカップにたっぷりのタピオカとミルクティーが注がれ、40元(160円)。安いですね。日本で飲むと何故あんなに高いのでしょう。
■Louisa Coffee/鹿港(台湾)
https://tabelog.com/taiwan/A5408/A540801/54001765/
台湾に展開するコーヒーショップ。数日間オフラインだったので、WiFiを求めての入店です。
イチオシのスペシャリティー・カフェ・ラテがMサイズで300円(75元)でした。味は日本のスタバで飲むそれと同等。サイズは日本のスタバのグランデサイズ。非常にリーズナブル。
■老馬師肉包/鹿港(台湾)
https://tabelog.com/taiwan/A5408/A540801/54001766/
「什倆漉餅行」という有名なスイーツ屋に立ち寄ると改装中。仕方なく手近にあった肉まん屋へ事前調査無しに突入。
ここでも英語も日本語も何も通じないので、物理的に指し示し、指折り数えて注文です。ブツがそこにあるのに首を振られ、しゃくられたアゴの先にあるのは時計。おそらく未だ蒸している最中で提供できない、という意味でしょう。おそらく。
味は先述の「阿振肉包」に勝るとも劣らず。これで17元(70円弱)。大満足。
鹿港は海産物の街だとガイドブックでは述べられていますが、個人的には肉料理が良かったです。日本人は魚料理に慣れ親しみすぎて、求めるレベルがとても高いのかもしれません。
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