年末年始に11日間のクルーズで海外へ vol.5~日本船の主戦場である和食の出来栄え~


ある日のディナー。日本船であるから和食は得意だろうと期待大。
前菜。左は松茸といくらの菊花添え。イクラはきちんと美味しい。松茸はエリンギと大差なく香りを感じることはできません。中はエビの黄身寿司。黄身が不気味な食感で全くの不協和。黄身抜きで海老だけ食べたかったです。鴨肉と焼き野菜の香味ソースは結構美味しい。鴨の強い肉の味と、これまた強い味付けのソースがわかり易かった。
お造りはシマアジと赤貝とイカ。シマアジと赤貝が酷い。回転寿司で5回転はしたんじゃないかと思わせるほどの乾きっぷりです。一方で、イカは思いのほか新鮮で失地を回復。どうして同じ一皿でこんなにも音信不通となってしまうのでしょうか。
薩摩黒豚の豆乳しゃぶしゃぶ。これは完全に冷え切っており作りおき感満載。バンケットで温かい料理を出すのは本当に難しい。
スズキの朴葉味噌焼き。これもしゃぶしゃぶと同じく温もりは皆無であり、ロケ弁の魚を食べている気分です。味がどうのこうのと言う前に思わず肩をすくめてしまう。
枝豆つみれ揚げと野菜の天ぷら。普通の温かい料理でさえ難しいのに、揚げ物はもっときつい。キンキンに冷えているのはもちろんのこと、嫌な油まで浮いており胸につかえてしまいます。
ごはんや
吸い物、
香の物は学食と同レベル。
甘味は黒胡麻と紫芋餡の茶巾絞り。これは中々に品の良い甘さであり気に入りました。この船はスイーツとコーヒーのレベルが高い。
ある日のランチ。オクラの味噌添えはもろきゅう的な味わいで中の中。鮪の山掛けはいいですね。自宅での食事で用意するぐらい美味しいです。この表現は見方によっては非常に感じ悪いですが、海上という限られた空間および食材かつ全乗客分一括提供という悪条件を鑑みると天晴れなことであり、心から評価しています。

銀ダラの西京焼きは丸焦げでアウト。山菜月見蕎麦は蕎麦ではなくそば粉風味の細いうどんであり蕎麦ではない。山菜と卵だけ食べました。鶏とごぼうの炊き込みご飯は味は悪くないのですが、べちゃついた炊き加減であと一歩。
ずんだ餅は想定外に美味しかった。
ある日の朝食。ビジネスホテルの朝食と同レベルであり、悪くなかったです。お願いすると納豆も付けてくれるのですが、それは全然美味しくありませんでした。やはり納豆は成城石井に限る。
ある日の夜食。夕食のポーションが極端に少ないことを不満に思う乗客をなだめすかすためか、22:30より夜食が提供されます。おにぎりやお粥、サンドイッチ、フルーツなどの軽食が中心ではありますが、一番人気は天ぷら蕎麦。

先のランチと麺やスープは大差ないのですが、やはり受注発注形式であるためそれなりの茹で加減であり、またエビの歯ごたえも中々であったため、意外にも満足できました。

総括すると、やはり日本船であるためか和食はそれなりに食べることができます。エコノミークラスの機内食と工場の社食の中間の味と言ったところでしょう。

しかし先述のエクスキューズと同じく、限定的な状況でこのレベルを維持するのはそれなりに驚異的であり、やはりその国の船に乗ればその国の料理を食べるべきだと再認識です。アメリカの船会社ではステーキがべらぼうに旨いように。

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