麻布十番は夜が結構早くって、ワインが飲めるお店となると雰囲気エロいお店ばかりとなり、純粋にワインと食事を楽しめるお店がほとんど無いんですね。
ル バーラ ヴァン サンカンドゥはすごく良いんですが、夜中を開けるのは金曜日だけだし、カラペティバトゥバは火事で燃えちゃったし。。。
ということで、見つけちゃいました、良さげなお店。東京都民銀行の裏、天のやのビルの3Fです。
グラスワインは850円より。連れは泡、私は白で乾杯。
「で?いくら出してくれるわけ?」と近々独立を考えているソムリエール。10万円ぐらいかな?これで僕も立派な飲食店オーナーだ、と答えると、おともだちパンチで殴られました。
期待していたよりも樽感が弱く、もうちょっとガツンとしたほうが好みでした。
「株式会社?個人事業主?なにそれ食べれんの?」と、ワインには詳しいが資本主義には滅法弱い彼女。
自分の身銭を切らなければオーナーとは言えなくて、『出資してくれた株主の言うことは絶対』になるよ。借金して全額自腹でお店を出せば、君も晴れてオーナーソムリエールだ、と簡単に説明すると「あ、あたしそういうプライドないから、肩書きとかは何でもいい」
黒豚のパテ。結構な大きさ、かつ、ピクルスまで付いて850円。これはお値打ち。包丁で切れ目を入れてくれており、箸でつまめるのも手軽ですごくいい。
なんでも「食肉卸業を営む実家から届く鹿児島黒豚や黒毛和牛、薩摩鶏を気軽に楽しんで頂けるごはんやです」とのことで、肉料理に大層な自信。「肉屋のボロネーゼ」とか超うまそう。
連れは白。私は赤。チリのカベルネだけれどもおとなしい味わいで深夜に飲むには程よいボリューム感でした。
そう、それにしても飲食業界での「オーナー」の使い方って間違っていることが多いですよね。スポンサーがいて自分は全然お金出してないのに「オーナーシェフ」「オーナーソムリエ」と名乗る人がすごく多い。まあ、そういう商慣習なのかもしれませんが。バナメイエビみたいに。
フライドポテトは600円。「ほんとポテト好きだよね」と、確かに彼女と深夜に飲む際には必ずフライドポテトを注文しているかもしれません。
一口食べてびっくり、すごく美味しい。カリッカリでクリスピーに揚がっているのですが、内部にはきちんとホクホクとした食感が残る。クアアイナのポテトを3割増に美味しくしたような味わいです。
たっぷりの揚げニンニクにも心躍る。手づかみで皮を剥きかぶりつく背徳感。明日臭かったらごめんだよみんなたち。
〆にもう1杯赤ワイン。「で?いくら出してくれるわけ?」と畳み掛ける彼女。
それじゃあ、麻布十番で、立ち飲みで、7席ぐらいの小さなお店で、内外装にこれっぽっちもお金をかけない居抜きであれば考えとくよ。キミが社長の1人会社。従業員は雇わない。僕は多くを求めなくて、たまに飲みに行った際に株主優待してくれればそれでいい。あ、スペインバルがいいな、十番にスペインバルって無いから。その条件を全て満たしてくれるなら、15万円までは出資させてもらうよ。当初予定していた額の1.5倍だ。
もちろん私が経営に関与したり実際に働いたりすることは絶対になくて、単に株式会社に出資するだけ、すなわち株を買うだけの呑気な取り組みかもしれませんが、まあ、新しい試みは何だって楽しい。
たまに無償で皿洗いでも手伝おうかな。その場合、『オーナー皿洗い』っていう名刺でも作ってもらおうかな。
「今夜はありがとう。あなたが何の役にも立たないってことが良くわかったわ。良いお年を」
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麻布十番にはフランス料理屋がたくさんあるのですが、残念ながら割高でハズレなお店も多い。外さない安定したお店は下記の通り。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ALLIE ←ワインという食事の知的部分を担うソムリエの重要性を再認識させてくれるお店。
- ラリューン ←クラシックな調理で正統派。むちゃ穴場です。
- 麻布れとろ ←ここで合コンすれば幹事がモテる(と信じている)。
- RRR ←ワインが割安。飲みまくれ!
- ルバーラヴァン52 ←全般的に安い。2時間で追い出されるのが玉に瑕。
- ブラッセリートモ ←和魂仏才、リーズナブル!
- タストゥー ←トリュフを使ったデザートに身悶え。
- 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!