サンバレーホテル /三軒茶屋


SUNVALLEY HOTEL。2017年の「東京最高のレストラン」で最も好意的に取り上げられていたお店のひとつ。「すごく感動」「カンテサンスの岸田シェフが興味を示して」「当日予約のみ」「電話は置かずツイッターが窓口」「ブルックリンかサンフランシスコにありそうなカフェ」と心が躍るキーワードが並びます。
三軒茶屋と駒沢大学駅の中間。どちらの駅からも10分程度歩きます。
マンションの1階にある不思議な雰囲気のお店。当店の他、カフェやバー、床屋なども入居していました。
予約は受け付けておらず、当日軒先に出向きファミレスのように記名します。ランチメニューは日替わりで1種のみなので、サイズだけをリクエスト。この日は日曜日の開店15分前に到着しましたが、既に4組の名前が記載されていました。
記名後は名前を呼ばれるまで時間をつぶす。ちょうど目の前に猫の額ほどの公園があるので、そのベンチに座っておしゃべりや読書を楽しむのが良いでしょう。
カウンター4席、2人席×3卓、3人席×1卓と小さなお店。レストランというよりも食堂のような雰囲気です。
ポスターに味があっていいですね。昔のヒステリックグラマーのショップバッグみたいなフォントです。

しかしここから先が軽く地獄でした。正午オープンと同時に1巡目で入店したのに、30分以上経っても料理が提供されません。メニューは1種しかなく、入店前に既に注文済みというのにこのオペレーションは一体どうなっているのか。こんなことなら12:30オープンにすればいいのに。
入店から35分待ってようやくビリヤニが着丼。なんと、これだけで2,160円!ミッドタウンのニルヴァーナ ニューヨークのランチビュッフェよりも高い。 まだ食べていませんが、既に東京最高のレストランに有罪判決が下されました。
味変用にとレモンやタマネギが付帯されます。
ヨーグルトをシャバダバにしてややスパイスをきかせたものも合わせて登場。
肉は写真のようなものが2かけら。いずれも細かな骨を伴っており、うっかりすると前歯を割ってしまいそうな食べ辛さです。

味はどこまでも普通のビリヤニでした。決してまずくはありませんが、うまくもない。この程度のビリヤニであれば800円で充分。2016年最も割高なランチでした。

予約ができない、皿出しが異常に遅い、大して美味しくない、価格だけはプラチナ級と、良い所をひとつも見つけることができません。夜だとまた印象は違うのかもしれませんが、少なくともランチで再びお邪魔することはないと思います。がっかりだ。


【ここから追記】
後日談。当記事をアップした日はツイッター経由でのアクセス数が異常に多く、何事かとツイッターを開いてみると、お店よりこのようなリプライが届いていました。

また、リツイートに基づきこのような告知も。

なんと理知的かつ真摯な対応!と感激し、さっそく店主に連絡を取らせて頂き意見交換。

「当店は高品質の肉を惜しみなく使っているのを売りにしているため、風評対策としてリツイートおよび当店の方針を周知させて頂いた」とのことでした。

ここからは私の言い訳なのですが、私はインド料理に詳しくなく、当店の価値を正しく理解できるレベルに達していないのだと思います。

したがって、ネパール人がそこらへんでやってる、ランチが1,000円にも満たないビリヤニでも充分満足できてしまう。10万円のワインと100万円のワインの味の違いが素人にはよくわらからないのと似た議論です。

当店を熱狂的に支持している方々は、恐らくとてもインド料理を食べこんでおり、高次元における極めて繊細な味の違いが判断できるのでしょう。そのような基準を持ち、その上で「高品質の肉を惜しみなく使っている」料理を堪能できるのだから、羨ましいことこの上ありません。私もいずれはその領域に踏み入れることができればと思います。

ところで当店の店主は心から紳士的で、親切にもオススメのビリヤニのお店までご紹介して下さいました。インドのハイデラバードという街の『bawarchi』というお店とのこと。


真剣です、ここの店主。


このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング
関連記事
カレーって美味しいですよね。インドカレーも日本カレーも大好き。ただしそれほど詳しいジャンルではなく、スパイスマニアには逆立ちしても勝てないので、意外性のあるオススメカレーをご紹介。

カレーにまつわる単語が辞典形式にまとめられ、知っていそうで全く知らないカレーエピソードがたくさん詰まっています。気合を入れてカレーを食べに行く前に目を通してから臨むと楽しさ倍増!