トラットリア フラテッリ ガッルーラ/名古屋


5~6年ほど前は名古屋に年間200泊ほどしていたのですが、最近再びお邪魔する機会が増えてきました。当時最も衝撃に感じた名古屋弁は「コロ」です。彼らは冷たいうどんのことを「コロ」と呼ぶ。
名駅前が東京の丸の内のように変貌しています。

ちなみに名古屋の人は名古屋駅のことを「名駅(めいえき)」と呼びます。「東京の丸の内」という書き方をしたのは、名古屋にも「丸の内」という地名があり、もっと言えば「自由が丘」「港区」のような地名もあります。同音ながら東京とイメージが全く異なる街であるのでご注意を。
TRATTORIA FRATELLI GALLURA。八事(「やごと」と読む。名古屋の地名)の名店のカジュアルラインです。入居する大名古屋ビルヂングのレストランフロアの目玉商品。
ランチで2部制という超人気店。私は開店と同時に予約ナシで訪れたのですが、運良くカウンター席に通してもらうことができました(以上、写真は公式webサイトより)。
メインの有無により2コースに分かれます。このあと用事があったので、80分でお店を出たい旨を伝えると「それならば絶対にメイン無しのコースで!」とのことでした。あーあ、メイン食べたかったなあ。
スペシャリテ。フォアグラのスモークとマンゴー、はちみつのソース。溢れ出るヒルズダルマット感。いかにも作り置きをちょいちょいと盛りつけた見栄えです。

スモークと銘打ちながら薫香や食感にそれを感じることができず。また、はちみつの甘味にも思い切りが感じられない。マンゴーに至っては目を閉じて食べればそれとはわからないほど風味に乏しく、これがスペシャリテであるならば前途多難である。
左は自家製のフォカッチャにタマネギを載せて焼いたもの。タルトフランベのような成り立ちであり、タマネギの甘味に溢れこれだけで立派な一品です。

右は「バケットラビット(baguette rabbit)」という名古屋の有名なパン屋のものらしいですが、全体的に粉っぽいというか、半生のお好み焼きというか、ビルズのパンケーキを食べているような錯覚で、私は好きではありませんでした。
オリーブオイルも出してくれます。お好み焼きを浸すとちょうど良くなりました。
シイタケとサルデーニャ島のからすみのアーリオオーリオペペロンチーノ。外観上シイタケの迫力は文句なしなのですが、どうにも旨味に乏しく見かけ倒しです。

パスタの茹で加減は悪くないのですが、味付けが全体的にボンヤリとしておりパっとしません。塩気もニンニクも唐辛子も何もかもが物足りない。
デザートはゴルゴンゾーラのジェラートに洋梨のスープ。これはいいですね。ビビッドな青カビの風味がきいています。
飲み物はエスプレッソを選択。味は良いのですが、量が底から1センチほどしかありません。これが本場風だと言われればそれまでなのですが、私にとっては張り合いのない1杯でした。

ここまでの所要時間は35分。冒頭の「絶対にメイン無しのコースで!」のくだりは何だったのか。メイン余裕で食べれんじゃん。がっかりだ。回転させることだけに意識が行き、キッチンの稼働状況とか、料理のリードタイムとか、客の置かれた状況とかにあまり興味が無いのでしょう。

料理は高級なファミレスといった印象。まずくはないが、うまくもない。それでいて3,000円を超えてくるので非常に割高に感じました。都内の人気店であれば1,000円代でまとめてくることでしょう。八事の本店に行くのを躊躇してしまいます。

サービスも気になりました。きちんとした接客をこなすベテランもいれば、明らかにサービス初心者のバイトもいます。ランチで3,000円を超える店にはちょっとなあ。



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