おにまる/麻布十番


スーパーバイザーが私のお誕生日会をアレンジしてくれることに。「誰が来るかは当日まで秘密ね」とのことで、誰が来るか楽しみで楽しみで前夜は全く寝付けませんでした。
20時開始で集まったのはシイタケ嫌いとスーパーバイザーのみ。どうだこれが私の人望だ!全くもっていつも通りの飲み会である。
10分ほど経つとガラリと扉が開き、振り返ると山田が立っていました。開口一番「忘年会の件、○日でオッケーですかね?」と事務連絡を優先する山田。全くもっていつも通りの飲み会である。
キスの天ぷら。ホクホクとした食感とアツアツの温度。寒い時期のお通しとして最適である。それにしてもキスの天ぷらを食べるたびに天冨良よこ田でのセクハラ体験を思い出してしまう。ある意味偉大なお店です。
クジラ。以前にも書きましたが、ここのクジラの刺身は本当に美味しい。肉のような肉質で、鉄分は濃いものの臭みなどは一切ありません。
スペシャリテのごまさば。甘辛いタレとごまの香ばしさが粘着質にサバに絡みつき、我々を至福へと誘ってくれます。
こちらは馬肉。立派な生産者から仕入れているとのこと。馬肉って美味しいし健康的だし、もうちょっと大量生産されてもいいような気がするんですけど、取り扱いが難しいのかなあ。

初登場、妙にマバタキが多い男が到着(以下マバタキ)。彼との仲は十数年の歴史があり、私の1度目の結婚式にハワイまで来てくれた十番在住ナイス・ガイだったのですが、ある日突然、東京の僻地に引っ越してしまい、すっかりご無沙汰していたのです。その彼をサプライズで召還するシイタケ嫌いは私の喜ぶツボを心得ている。
ハラミステーキ。獰猛な食感であり原始人になったかのような錯覚。赤ワインが欲しくなります。
イワシ明太子焼き。いやあ、これはビジュアルがズルいですよね。美しい焦げ目に滴る脂、グラデーションがかかった明太子。うっかりプロ画にしそうになりました。

イワシ明太子焼きに見惚れていると、思いがけず背中をバーンと叩かれました。ふりかえるとシンガポール女子。え?この前帰国したばっかじゃん?何で日本にいるの?と私の脳内にクエスチョンマークが渦巻く。

「ちょうどアメリカ出張が入ったから、週末を日本でストップオーバーして、キミをお祝いできるように調整したの!」体温が2℃ほどアガり、危うく恋に落ちそうになりました。
さつまあげ。「今日はお祝いなので、何でも好きなものを注文してください」と言われると、本当に好きなものばかりを注文し、結果、いつもと同じメニューとなってしまう。

日本酒を注文すると、お店の方から「ダメ、まだ早い。今から日本酒で始めるとカウントダウンまで持たない。ビールにしとけ」とお店からNGが出ました。店員がペースメーカーとなってくれる店、おにまる。
「お誕生日おめでとう!」と唐突にプレゼントを差し出され、顔を上げると美容系ライター。赤ちゃんのようなキメの細かい肌を湛えながらニッコリと微笑む彼女。心臓が止まりそうになるほど可愛かったです。さらに体温は2℃ほどアガり、ついにはインフルエンザ級の高熱に。
「どんなワインが好きかわからないから、あなたの記事を店員さんに見せたんだけど、『この人は相当良いものを飲んでますよ覚悟して下さい』と脅されたんだから」
タコが到着した頃、人としてのタコ、ならびに外資証券も到着。タコとは数日前におにまるで飲んだばかりであり、外資証券は2日後にBBQをする約束をしています。その上でカウントダウンに来てくれるだなんて私は幸せである。
タコよりチョコのプレゼント。濃い目カカオのチョコレートは成城石井で決まりと信じていたのですが、こちらの明治もなかなかやりおる。日本の製菓業界を見直しました。
外資証券からはワイン。さすがは今年最も多くワインを酌み交わした飲み仲間のうちのひとり、私の好みを熟知しています。
即座に出されるレバーパテ。誤解の無いよう説明しておきますが、ここは折り目正しい九州料理屋です。となると先のワインは開けざるを得ない。うまいでござる。
「真ん中の明太子が一番たっぷり入ってるトコ食べてね。はい、アーンして」新手の風俗として特許庁に出願することに決めました。
前回同様、シンガポールが絶対に外さないのは五色納豆。ただし本日は誕生日スペシャルバージョンであり、7色すなわち納豆レインボーです。「お刺身が一番たっぷり入ってるトコ食べてね。あたしが海苔で巻いてあげる。はい、アーンして」この時間がずっと続けばいいのにな。
「そろそろいいぞ」と23:30にようやく日本酒がお店より解禁されました。この酒は私が最も好きな日本酒のうちのひとつであり、まさかこの日のためにわざわざ入荷してくれたのではあるまいか。

「お待たせ」と、学部で一番の美女陸の王者たちが到着。特に学部で一番の美女は先週出張を切り上げて帰国し私のお誕生日を個別にお祝いしてくれたのち、再び海外へと発ち、またまた今日のために戻ってきてくれたのです。
盛大なカウントダウンと共に落とされる照明。灯を伴って登場するのは白金ル・コフレ・ドゥ・クーフゥ!マスカルポーネとカマンベール主体のケーキ。私の趣味嗜好を知悉しているスーパーバイザー。思いやりに満ち溢れた人妻である。
なんと!お店からもお誕生日プレゼントを頂けました!ありがたやありがたや。こちらは自宅で薄い薄いグラスに注ぎ、じっくりと楽しませて頂きます。
25時を過ぎ、そろそろ小腹が空いてきたタイミングで親子丼登場。肉や卵は当然のこと、たっぷりの出汁が堪らない。「これはシンガポールでもウケるかも」とシンガポール女子が熱心に作り方を大将に訊ねています。しかし明日の朝にはすっかり忘れることを私は知っている。
さあここからはパッパカパッパカ行きますよ!なんとも女の子ウケしそうなエチケット。ほとんどビールで過ごして来たため、思いのほかシラフであり、しっかりと酒の味を楽しめています。

と、ようやくここでミスターボリュームアップが登場。「仕事関係の飲み会があって、悪いね」どうだこれが私の人望だ!
親子丼をあっという間に平らげ、未だ食い意地を隠し切れない我々を見かねてか、大将が寿司を握ってくれました。厚切りのブリ。深夜に仲間と酒に囲まれて寿司をつまむ私は幸せ者である。

「カラオケ行くぞ!」とシイタケ嫌い。通常深夜のカラオケには常に難色を示す私ですが、今日に限っては断るわけにはいきません。
先陣を切って盛り上がる曲をと聖闘士星矢の「ペガサス幻想(ファンタジー)」を歌ったのですが、全く盛り上がらない、というか、皆さんご存知ないようです。嘘だろお前ら全員同世代じゃねーか!
「サービスで~す♪」とお店の方から、ラム、ウォッカ、テキーラ等々のハードリーカーの群れが供されました。はっきり言ってどれを取ってもハズレです。この店はサービスが何たるかを色々と履き違えているのではなかろうか。

今年も素敵なお誕生日を迎えることができました。歳を重ねるごとに誕生月が忙しくなり、誕生日会が盛大になる。それらをアレンジしてくださる皆様には感謝の念しかございません。

よく勘違いされるのですが、私は「人脈」や「名刺交換」といった類のキーワードが大嫌いであり、友達の輪を広げるよりも既存の仲を深化させることに重きを置く人間なのです。

もちろんこのような考えは、ある時は正しくある時は間違っているのかもしれませんが、私は私のことを大切にしてくれる人を大切にしたい。他人と50回の会食をこなすぐらいなら、ひとりの友達と50回飲みに行きたい。今年も今夜のみんなたちと何夜も何夜も遊びに行けますように。



食べログ グルメブログランキング



Instagram


関連記事
我々のおにまるクロニクルは下記の通り。心からくだらない部室のようなやりとりばかり。ヒマで死にそうな時に時間つぶしにどうぞ。
  • 2016年11月 ←東京カレンダーへの報復
  • 2016年10月 ←低脳未熟大学の陸の王者たち
  • 2016年10月 ←予約必須の水炊き
  • 2016年10月 ←ハゲマシュラン
  • 2016年10月 ←シイタケ嫌い生誕祭。
  • 2016年9月 ←壁にマッキーで「魑魅魍魎」と書く酔っ払い。
  • 2016年8月 ←斬新な味わいで、イタリアの未開の村の郷土料理を食べているかのよう。
  • 2016年8月 ←何そのクソブログ聞いただけで超読みたくねえ。
  • 2016年8月 ←オマエと言うと1,000円
  • 2016年8月 ←ひとりの夜は結婚式のビデオを繰り返し見る中年。
  • 2016年7月 ←「デブとか絶対にムリ」などと言う口の悪い女と付き合うメリット。
  • 2016年5月 ←「俺を殺しにかかってますね」
  • 2016年4月 ←営業日数25のうち8はご来店。
  • 2016年4月 ←からの朝までカラオケ。
  • 2016年3月 ←精彩を欠いている山田さん。
  • 2016年3月 ←美人局。
  • 2016年2月 ←スーパーバイザーの誕生日会。
  • 2016年2月 ←ヒルズ族というのはまやかし。
  • 2016年2月 ←「しゃ、写真を一緒にいいですくゎ?」
  • 2016年1月 ←カンテサンスに1日2度行く女。
  • 2016年1月 ←シューツリーの受け渡しのはずがどうしてこうなった。
  • 2015年9月 ←伝説の○○○○初登場。
  • 2014年5月 ←一番食べた日。
  • 2014年8月 ←イスラエル人が闖入し大騒動
  • 2014年8月 ←初訪問。もう2年も前なのですね。
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

関連ランキング:居酒屋 | 麻布十番駅赤羽橋駅六本木駅