神楽坂 スタジオーネ/神楽坂


「外が気持ち良い季節だから、テラス席で飲みたい」とのリクエストを受け、男女仲良し4人組での宴会です。

テラスがあるイケてるレストランって意外と少ないですよね。真っ先に浮かぶのはT.Y. Harbor Breweryですが、どちらかというとワイン寄りなメンバーであるため、ビール主体の店はちょっと違う。もちろんどのホテルも素敵なテラスは構えてはいますが、猥談中心の飲み会なのでさすがに遠慮してしまう。
検索を進めるといくつか候補が絞られてきたのですが、なぜかテラス席と言えば飲み放題なお店が多い。飲み放題のワインの質は言わずもがな。なんだかんだで1時間ほど悩み続け、結論として選んだのが当店でした。
神楽坂の入るにはささやかな勇気を要する小路の奥。和のエクステリアから、本当にここで良いかと自信を無くしますが、看板に書いてあるとおりエレベータで5Fに上がります。
案内されたテラス席。さすがに新宿や六本木の夜景に比べると迫力に欠けますが、気を圧する高層ビルも少ないため、見通しが良く気持ちの良い空間でした。電気毛布やストーブも完備されており、荒天時には雨除けの設備もあるとのこと。
2時間飲み放題のプランであり、当然全員が揃ってから飲み放題開始なのですが、「皆様お揃いまでの間、もし良ければ1杯無料でサービスしますよ~」とのお店からの提案。こういう気遣いは心から嬉しいです。
前菜盛り合わせ。宴会プランは全て大皿で出てきます。左からメカジキの燻製、牛の塩漬け、タラのパテ、カプレーゼ、鴨の燻製。盛り付けは立派に見えますが、味はいずれもデパ地下の惣菜レベルの域を出ません。
サラダも特筆すべき点はなし。この後の料理もずっとこんな調子です。
バゲットもイマイチ。ここできちんとしたパンを出せば全然印象変わってくるのになあ。パンとコーヒー豆を甘く見て、安くあげようとするレストランが多すぎる。こういうシンプルでゴマカシがきかない部分にお金をかけるほうが効率的だと思うのだけれど。
専売特許のナポリピッツァ。ウンドゥーヤという、豚バラと唐辛子を熟成させたソーセージのピッツァです。全般的に味が荒く、決して不味くはありませんが特に美味しくもないといったところ。
ピッツァにはビール。今夜はみんなビールばっかり飲んでます。それならT.Y. Harbor Breweryでも良かったかな。

そうそう、先日の「異性と手を繋ぐ前にチュウするのは当然」事件につき、今夜の仲間からも意見を募ったのですが、「え?手なんか繋がなくないですか?まずキスでしょ」という男。問題なのは彼が20代そこそこというわけではなく、私と同じアラサーだということ。もはや世代の問題ではないのかもしれません。
マルゲリータも標準的。みんなの箸が全く進まず、残すのは悪いからと積極的に私が食べ不遇の満腹感。
パスタはエビ主体にカラスミの粉末。全体的に浅い味。まずくはないが、うまくもない。
メインは牛肉の白ワイン煮。これは結構好きな味でした。しかし店員の「追加料金で白トリュフをこの場でスライスしますよ」との申し出に失望。どうして飲んで食べて客単価1万円以下のレストランの料理に白トリュフをかけたいかね。バランスが悪すぎる。料理自体は好きだっただけに酷くガッカリしたオファーです。
ちょっとしたお祝い事があったのでデザートプレートに工夫してもらいました。味わいはこれまでの料理と似たようなノリです。
お会計が思っていたよりも少し高くて明細を見てみると、コペルト(席料)ひとり400円とエスプレッソ600円が加算されていました。不適切だが違法ではないつもりかもしれませんが、センスないなあ。最初から1,000円高い込料金にすればいいのに。

微妙なお店でした。立地や箱は問題ないのですが、料金の割に料理がパっとしません。しかしこれは料理人の腕の善し悪しというより経営元の姿勢に因るものだと思います。

真っ白なテーブルクロスが張ってある割にはピッツァのように酷くカジュアルな料理を出したりと、色々とチグハグなんですよね。哲学を持った誰かが関与すれば、印象がガラっと変わりそうな気もします。

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神楽坂に特化したグルメ本は以外と少ない、というか紙媒体ではほぼ皆無。本書はKindleからでも読みやすく、コンパクトにまとまっているので使い勝手が良いです。安いですし。